3月7日、中山競馬場で弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ、芝2000m)が行なわれ、伏兵と見られていた単勝4番人気のタイトルホルダー(牡3歳/美浦・栗田徹厩舎)が鮮やかな逃げ切りで優勝。2着にはシュネルマイスター(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)が入り、オッズ1.3倍の圧倒的な1番人気に推されたダノンザキッド(牡3歳/栗東・安田隆行厩舎)は追い込み届かず3着に敗退した。この3頭には皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)への優先出走権が与えられた。
まず、クラシック戦線をリードする存在と謳われたダノンザキッドの敗因から探っていく。
ひとつは気性の問題である。
もともと大人しいタイプではないダノンザキッドだが、この日はパドックでの煩さがいつになく目立った。約2か月半の休養を経た、久々の実戦であるがゆえのイレ込みとも受け取れた。
これがレースで悪い方向に出た。
タイトルホルダーが先頭を奪うと、シュネルマイスターは競りかけることなく2番手に収まったため、1000mの通過ラップが1分02秒6というスローペースになってしまった。この流れで盛んに"行きたがる"様子をのぞかせたダノンザキッドは、手綱を抑える鞍上をかなりてこずらせたのは画面越しにも分かっただろう。これがラストスパートに入る際の反応の鈍さなどにつながったと考えられる。
もうひとつの敗因は、現在の中山・芝コースのトラックバイアス。馬券ファンならお気付きだっただろうが、いわゆる"前残り"の馬場になっていたことである。
先週開幕した2回中山では、1回開催から一転して逃げ・先行馬が粘り切って高配当を演出するケースが頻発。逆に、中団以降から馬群の外を回った差し・追い込み脚質の人気馬は苦戦が続いていたのである。
このレースでも、4番手を進んだダノンザキッドは出走10頭中の上がり3ハロン最速タイとなる34秒2を記録して伸びてはいるのだが、逃げたタイトルホルダーと2番手のシュネルマイスターが同34秒5で走り切っているのだから、上位2頭を差し切るのは難しい馬場状態だったわけである。
このふたつの要因があってダノンザキッドが敗れたと筆者は見ているが、川田将雅騎手がコメントしているように、本番前に一度実戦を使ったことがメンタルな"ガス抜き"になり、フィジカルな面でも充実度が増していくはず。トライアルレースで土が付いたことは残念だが、この一戦で急に評価を下げるのは早計だと感じている。
まず、クラシック戦線をリードする存在と謳われたダノンザキッドの敗因から探っていく。
ひとつは気性の問題である。
もともと大人しいタイプではないダノンザキッドだが、この日はパドックでの煩さがいつになく目立った。約2か月半の休養を経た、久々の実戦であるがゆえのイレ込みとも受け取れた。
これがレースで悪い方向に出た。
タイトルホルダーが先頭を奪うと、シュネルマイスターは競りかけることなく2番手に収まったため、1000mの通過ラップが1分02秒6というスローペースになってしまった。この流れで盛んに"行きたがる"様子をのぞかせたダノンザキッドは、手綱を抑える鞍上をかなりてこずらせたのは画面越しにも分かっただろう。これがラストスパートに入る際の反応の鈍さなどにつながったと考えられる。
もうひとつの敗因は、現在の中山・芝コースのトラックバイアス。馬券ファンならお気付きだっただろうが、いわゆる"前残り"の馬場になっていたことである。
先週開幕した2回中山では、1回開催から一転して逃げ・先行馬が粘り切って高配当を演出するケースが頻発。逆に、中団以降から馬群の外を回った差し・追い込み脚質の人気馬は苦戦が続いていたのである。
このレースでも、4番手を進んだダノンザキッドは出走10頭中の上がり3ハロン最速タイとなる34秒2を記録して伸びてはいるのだが、逃げたタイトルホルダーと2番手のシュネルマイスターが同34秒5で走り切っているのだから、上位2頭を差し切るのは難しい馬場状態だったわけである。
このふたつの要因があってダノンザキッドが敗れたと筆者は見ているが、川田将雅騎手がコメントしているように、本番前に一度実戦を使ったことがメンタルな"ガス抜き"になり、フィジカルな面でも充実度が増していくはず。トライアルレースで土が付いたことは残念だが、この一戦で急に評価を下げるのは早計だと感じている。