格闘技・プロレス

紆余曲折があって生まれた“TTコンビ”。TORU&瀧澤晃頼の初タッグは惜敗も「いつかインディーを代表する人たちと…」【TTT】

萩原孝弘

2021.03.14

直接対決をキッカケにコンビ結成へと至った瀧澤(左)とTORU(右)。この二人の戦いぶりに会場も大いに沸いた。

 3月12日、"インディー統一"を掲げるプロレス団体「TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)」の「ATTACK3」が新木場で行なわれ、会場にはコロナ禍による緊急事態宣言延長の最中でも140人の上限いっぱいの観客が詰めかけ、完売御礼の札止めとなった。

 注目のセミファイナルでは1月に肩の怪我から復帰したTORUと、同大会後にTTT入団を発表した瀧澤晃頼が初めてタッグを結成。政岡純&竹田光珠と対峙した。

 タック形成までは紆余曲折があった。入団時から「TORUさんとタッグを組みたいですね。昔からプロレスが上手くなんでも出来るTORUさんとなら、新しい団体で新しい景色を見れそうな感じがする」とラブコールを送っていた瀧澤に、TORUは「TTTに入って良かったと思わせるため」にと、あえてシングルマッチを要求。前回大会で胸を合わせると、一進一退の攻防を見せる激戦の末に、地力に勝るTORUが勝どきをあげていた。

 以前、TORUは瀧澤について「プロレスラーとしてのハングリー精神を感じられず、ただ与えられている試合を流すようにこなしている印象で、正直、あまり良くなかった」とネガティブなイメージを口にしていたが、「2月にシングルで戦って印象がガラリと変わった。こういう闘いがしっかりできるんだと感心した」と熱戦を終えて見る目を変えた。
 
 さらに「同時にそれがまだまだお客さんに伝わっていないのがもったいない」と口にしたTORUは、「自分が競馬、あいつがボートレース好きなので、話も合います。あまり飲めないのに酒の場にはついてきてくれて、結構、面白い話もしてくれる。弟みたいな存在」と瀧澤とのプライベートでの親交も深めていった。

 そしてTORUは、「今までタッグのベルトも4本取ってきた。でも、HUB、翔太、政岡純、三原一晃、阿部史典といろんな先輩後輩とタッグを組んできたが、どの選手ともタッグチームと呼べるぐらいの実績は重ねられなかった」との悔いを口にし、ついに瀧澤とのタッグを決意したのだ。

「どうせ組むならば、TTTのお客さんのイメージにある"阿部&TORU"を上回りたい」とガッツワールド時代、GWC認定タッグのベルトも巻いた名コンビ越えを視野に入れたTORUに対し、瀧澤も「やっぱりタッグとして結果は出したいですね」と追随。志を共にした2人は、颯爽とリングへと向かった。
 
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華麗なコンビネーション披露も…