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「燃料圧力の低下」で初リタイアの角田裕毅。ホンダの田辺TDがトラブルの原因を説明

THE DIGEST編集部

2021.05.10

マシントラブルでF1初のリタイアを喫した角田。次のモナコGPに向けて気持ちを切り替えたようだ。(C)Getty Images

マシントラブルでF1初のリタイアを喫した角田。次のモナコGPに向けて気持ちを切り替えたようだ。(C)Getty Images

 F1第4戦スペイン・グランプリは、現地時間5月9日に決勝が行なわれ、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は7周目のターン10でコース脇にストップし、F1キャリア初のリタイアを喫した。

 フリー走行2回目で7番手のタイムを出すなど好発進を切ったかに思われた今GP、予選では車のコントロールとトラフィックに苦しんだ末に16位でQ1敗退を喫し、その後の言動が物議を醸してSNSで謝罪した20歳は、気を取り直して決勝に臨んだが、スタートで2つ落とした順位を回復させ、追撃を始めようとした矢先にマシントラブルに見舞われた。

 前線ポルトガルGPに続いて、予選、決勝では良さを発揮することなく終わった角田は、自身のSNSに「問題があって今日はフィニッシュできませんでした。望んだ結果ではありませんでしたが、リセットし、モナコGPに向けて英気を養いたいと思います」と投稿。またチームの公式サイトでも、失意のレースを振り返るとともに、次戦への期待を語っている。

「フラストレーションの溜る週末でした。スタート時のペースはかなり良かったので、完走できなかったのはとても残念ですが、自分には全くコントロールできない部分のトラブルでした。

 今は、次のモナコでのレースを楽しみにするだけです。ここでレースをするのは初めてで、こうした象徴的なサーキットで走ることにワクワクしています」
 
 このコメントの中では「車に何が起きたか分からない」と語った角田だが、車を降りた後に『Sky Sports』に対し、ギアボックスの故障に関連したものではないかと推測していた。しかし後に、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターが「燃料圧力の低下」を明らかにし、「異変が生じ、燃料がエンジンに供給されなくなった結果、エンジンが止まりました」とトラブルの原因を説明した。

 田辺TDはまた、ホンダの公式サイトで「角田選手は序盤でリタイアと、今週末は彼にとって厳しい週末になりました。問題の原因については、早急にチームと一緒に解析を進めていきます。2週間後のモナコGPは低速コーナーが多い特殊な市街地コースで、これまでのレースとは異なるチャレンジになりますが、良い準備をしていければと思っています」とも語っている。

 ピエール・ガスリーのリカバリーで何とか1ポイントを積み重ねたアルファタウリは、SNSで「ユウキにとってはタフな週末だったが、リセットして、モナコでは心機一転、全力で頑張ろう!」とエールを贈った。また、ガスリーは20歳のチームメイトについて「昨日は厳しい予選で、感情的になってしまった。気持ちをコントロールすることが必要だが、彼はまだ若いので、学習して改善していくと思う」とコメントを残している(『RACEFANS』より)。

 イモラでは自身がミスを犯し、イベリア半島での2戦は車のフィーリングに苦しんだ末に、車のトラブルでレースを終えざるを得なかった。ここまで開幕戦バーレーンGP以外では厳しい結果に終わっているが、見方を変えれば、始まったばかりのF1のキャリアにおいて、レース毎に様々な経験を積んでいるわけであり、まだこれらをネガティブに捉える必要はないのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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