世界的人気を誇るYouTuberの格闘技界への参戦が物議を醸している。
事の発端となっているのは、現地時間6月6日、元ボクシング世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(アメリカ)と、世界的人気を誇る"お騒がせYouTuber"のローガン・ポール(アメリカ)のエキシビション8回戦(1回3分)だ。
判定決着なし、ヘッドギアなし、10オンスグローブ使用の特別なボクシングルールで行なわれた一戦は、終始、元ボクシング世界5階級王者のメイウェザーの一方的な展開になるも、クリンチで逃げるポールからダウンは奪えず。派手な打撃戦やダウンシーンもないまま、ドロー決着となった。
試合後、大々的な宣伝が打たれた両雄の対決には、「抱きつき凡戦」や「何事も起きなかった茶番劇」といった皮肉交じりの批判が殺到した。さらに22億円以上を稼いだとされるポールが「俺は世界最高のボクサーとここまでやった。だから誰だってやればできる。不可能なんてない」と興行の成功を主張したことで、火に油が注がれた格好だ。
YouTuberのような影響力のあるインフルエンサーの参戦は、昨今の格闘技界でトレンドとなりつつある。実際、彼らはプロライセンスを交付されており、ルール上はなんら問題がない。
だが、話題先行型のマッチメイクやPPVの売り上げを重視した成果主義に、危険性を訴える声は絶えない。「はっきり言って茶番。ボクシングをサーカスにされている」とキッパリと言い切るのは、現WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界スーパーライト級王者のジョシュ・テイラー(スコットランド)だ。
【動画】お騒がせYouTuberポールがぐらついた、メイウェザーの渾身パンチはこちら 今年5月にホセ・ラミレスを打ち破り、史上6人目の主要4団体統一王者となったテイラーは、英スポーツ専門ラジオ局『talkSPORT』のなかで「彼らの参戦はゲームやYouTubeに夢中な若い子どもたちを呼び込むという面では良い。ボクシングに新規のファンをもたらすと思う」と語った上で、「でも、ボクシングが嘲られているとも感じるね」と持論を展開した。
「彼らの大半は、競争的な戦いをしてきてないし、ボクシングそのものの経験も全くない。それでもステージに上がってボクシングをWWE(アメリカのプロレス団体)みたいにしているんだ。ちょっとしたショーであり、茶番だよ。俺を含めて多くのファイターは、かなりムカついてると思うね」
さらにテイラーは、「ローガン・ポールやフロイド・メイウェザーを軽蔑するつもりはない」と強調しながらも、辛辣なコメントを続けている。
「メイウェザーは俺らの世代にとっては最高だ。でも、ほんの少しの犠牲のために、彼の名声とボクシングにおけるレガシーを傷つけている気がしてならないね。あんな試合で何億ドルも稼ぐなんて狂ってる。銀行口座はどうなってるって話さ。とてもイラつくね」
より確実にPPV購入者が見込めるインフルエンサーの参戦は、このコロナ禍が拍車をかけた感もあるが、はたして、どこまで続くのだろうか――。
構成●THE DIGEST編集部
事の発端となっているのは、現地時間6月6日、元ボクシング世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(アメリカ)と、世界的人気を誇る"お騒がせYouTuber"のローガン・ポール(アメリカ)のエキシビション8回戦(1回3分)だ。
判定決着なし、ヘッドギアなし、10オンスグローブ使用の特別なボクシングルールで行なわれた一戦は、終始、元ボクシング世界5階級王者のメイウェザーの一方的な展開になるも、クリンチで逃げるポールからダウンは奪えず。派手な打撃戦やダウンシーンもないまま、ドロー決着となった。
試合後、大々的な宣伝が打たれた両雄の対決には、「抱きつき凡戦」や「何事も起きなかった茶番劇」といった皮肉交じりの批判が殺到した。さらに22億円以上を稼いだとされるポールが「俺は世界最高のボクサーとここまでやった。だから誰だってやればできる。不可能なんてない」と興行の成功を主張したことで、火に油が注がれた格好だ。
YouTuberのような影響力のあるインフルエンサーの参戦は、昨今の格闘技界でトレンドとなりつつある。実際、彼らはプロライセンスを交付されており、ルール上はなんら問題がない。
だが、話題先行型のマッチメイクやPPVの売り上げを重視した成果主義に、危険性を訴える声は絶えない。「はっきり言って茶番。ボクシングをサーカスにされている」とキッパリと言い切るのは、現WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界スーパーライト級王者のジョシュ・テイラー(スコットランド)だ。
【動画】お騒がせYouTuberポールがぐらついた、メイウェザーの渾身パンチはこちら 今年5月にホセ・ラミレスを打ち破り、史上6人目の主要4団体統一王者となったテイラーは、英スポーツ専門ラジオ局『talkSPORT』のなかで「彼らの参戦はゲームやYouTubeに夢中な若い子どもたちを呼び込むという面では良い。ボクシングに新規のファンをもたらすと思う」と語った上で、「でも、ボクシングが嘲られているとも感じるね」と持論を展開した。
「彼らの大半は、競争的な戦いをしてきてないし、ボクシングそのものの経験も全くない。それでもステージに上がってボクシングをWWE(アメリカのプロレス団体)みたいにしているんだ。ちょっとしたショーであり、茶番だよ。俺を含めて多くのファイターは、かなりムカついてると思うね」
さらにテイラーは、「ローガン・ポールやフロイド・メイウェザーを軽蔑するつもりはない」と強調しながらも、辛辣なコメントを続けている。
「メイウェザーは俺らの世代にとっては最高だ。でも、ほんの少しの犠牲のために、彼の名声とボクシングにおけるレガシーを傷つけている気がしてならないね。あんな試合で何億ドルも稼ぐなんて狂ってる。銀行口座はどうなってるって話さ。とてもイラつくね」
より確実にPPV購入者が見込めるインフルエンサーの参戦は、このコロナ禍が拍車をかけた感もあるが、はたして、どこまで続くのだろうか――。
構成●THE DIGEST編集部