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「世界水泳の借りを返した!」瀬戸大也を破った“スイス”の英雄”を専門メディアが称賛。本人は大興奮「3、4日は寝れないかも」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.07.30

超デッドヒートの末に瀬戸(左)を制したデプランシュ(右)。実は2年前の“倍返し”だった?(C)Getty Images

超デッドヒートの末に瀬戸(左)を制したデプランシュ(右)。実は2年前の“倍返し”だった?(C)Getty Images

 日本には悲痛の、遠くスイスでは歓喜の声が巻き起こった。

 東京オリンピック2020は7月30日、男子200メートル個人メドレーが行なわれ、日本からは瀬戸大也と萩野公介が出場。それぞれ4位と6位に終わった。ともに親友でありライバルでもある両者は、リオ五輪400メートル個人メドレーで萩野が金、瀬戸が銅メダルを獲得していたが、2大会連続のメダルとはならなかった。

 特に瀬戸にとってはコンマゼロ秒の差となっただけに、悔しさもひとしおだろう。今大会は2種目でまさかの決勝進出を逃した。ラスト種目となったメドレーでは、序盤に周りの出方をうかがいつつ、得意の平泳ぎで一気にメダル争いに食い込んだ。最終の自由形では2位も狙える位置にきたが、周りの追い上げにあうと、最後は「100分の5秒」差で3位に届かなかった。

 そして、瀬戸をゴール寸前でかわしたのが、スイスのジェレミー・デプランシュだ。2018年のヨーロッパ選手権で200メートル個人メドレー王者になったデプランシュは、翌年の世界水泳選手権にも参加。実はそこで瀬戸との“因縁”があった。
 
 世界選手権、瀬戸は1分56秒14(東京五輪は1分56秒22)でチャンピオンになっているが、0秒52差の2位にいたのがデプランシュだったのだ。だからこそ、競泳専門メディア『SwimSwam』は東京五輪のレース記事にて、「デプランシュはレース全体を通して4位にいたが、最後に寸前のところでダイヤ・セトをかわした。2019年の世界水泳を思わせるレースで、今度はやり返した形だ」と振り返っていた。

 一方で、スイス競泳界に1986年以来となるメダルをもたらした“英雄”は、因縁などどこ吹く風で「信じられない!」と大興奮。「なんて言ったらいいか分からない。3、4日は寝れないかも。セトはがっかりさせちゃったかもね、でも僕はとてもハッピーだ」と母国メディアに喜びのコメントを届けている。

 瀬戸は惜しくもメダルを獲得できなかったが、「自分はもっといい結果をイメージした中で思い通りにはいかなかったですけど、非常に素晴らしい大会で、開催されるかも分からない中で、自分たちが活躍できる場所をいただけて、活躍したかったですけど、今やれる精一杯のことはやれたので、すっきりしています」と達成感を口にし、今後も競泳を続けるとも語った。再びデプランシュと上位争いする日が来るのか。その時を楽しみにしたい。

構成●THE DIGEST編集部

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