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「耐え切れない暑さ」 猛暑の東京五輪の“危うさ”を海外メディアが指摘!今後の開催時期の見直しを訴える声も

THE DIGEST編集部

2021.08.06

3000メートル障害の予選後は、あまりの暑さに氷で体を冷やす選手の姿もあった。(C)Getty Images

3000メートル障害の予選後は、あまりの暑さに氷で体を冷やす選手の姿もあった。(C)Getty Images

 コロナ禍の中で開催された東京オリンピックは、選手に様々な制約を強いることとなっているが、彼らにさらなる苦しみを与えているのが、高温多湿の日本の夏である。

 2013年に五輪招致活動の際、東京都などはこの時期の気候について「晴れることが多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」と説明していたが、実際は“理想”からほど遠いものであると、全ての人々が感じていることだろう。

 カナダの日刊紙『NATIONAL POST』は「五輪は日本の暑さに耐え切れなくなっているが、それはさらに悪化する一方である」と報道。「日本の国旗が白地に真っ赤な“灼熱の太陽”だけという理由がよく分かった」と皮肉を込める同メディアは、この季節の日本での競技が選手にとっていかに過酷であるかをレポートしている。
 
「あまりに暑いため、女子3000メートル障害決勝で跳ね上がる水しぶきすら、湿度を高める不快なものと感じられた」という8月4日、多くの陸上競技が行なわれた国立競技場は20時を過ぎても気温は28度、湿度は77%を記録していたという。

 米国の放送局『CNN』は「史上最悪の条件となる」と大会前に予測していたが、案の定、選手からは“悲鳴”が上がり、男子テニスのダニール・メドベージェフは「競技中に死亡する可能性がある」と警告し、ノバク・ジョコビッチは「これまでのキャリアの中で、このような“残酷”な状況に直面したことはない」と不満を吐露。こうした声により、実際に幾つかの競技の開始時間が、「選手の健康と福祉のため」に移動された。

 陸上はもちろん、水上も快適から程遠く、カヌースラロームのマテイ・ベヌーシュは「風呂の水を漕ぐようだった」と語り、海水の表面温度が31度に達した東京湾で行なわれた女子マラソンスイミングで銅メダルを獲得したカリーナ・リーは、「魚にとっても暑すぎる環境」(同メディア)が影響したのか、トビウオが胸に直撃し、このような経験が初めてであることを明かしたという。また動物といえば、馬術の馬も、騎手とともに苦しんでいるようで、「まるでサウナの中での競技」だったと形容している。
 

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