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モータースポーツ

「差をなくせる可能性はほとんどない」角田裕毅がガスリーに圧倒された前半戦の“チーム内対決”を蘭メディアが検証

THE DIGEST編集部

2021.08.23

好調なガスリー(左)との差を埋めるのは、なかなかに困難な作業のようだ。(C)Getty Images

好調なガスリー(左)との差を埋めるのは、なかなかに困難な作業のようだ。(C)Getty Images

 今季、F1デビューを飾ったスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅にとって、10月に開催予定だった日本グランプリは初の凱旋レースとして特別な舞台となるはずだったが、残念ながらコロナ禍により海外関係者の日本入国が確実でない状況のため、2年連続での中止となることが発表された。

 これについて角田は、SNSに「楽しみにしていましたが、状況を考えると仕方ないですね…また日本食食べられない期間が増えた」と投稿。これまで何度も行なわれたインタビューの中でも、F1マシンで鈴鹿サーキットを走るのを楽しみにしていると語っていたが、母国のファンの前でのレースは来年以降にお預けとなった。

 さて、そんな角田はF1での11レースを終え、現在はベルギーGPで始まる後半戦に向けて準備を進めているところだが、現地メディアは様々な角度から前半戦を振り返っている。オランダのモータースポーツ専門サイト『RN365』は、各チームの2人ドライバーの「対決」に注目し、「どちらがチームメイトを支配したか」を検証した。

 アルファタウリについては、経験と安定感で勝るピエール・ガスリーが、ルーキーの角田を圧倒。レースでは「7対2」(両ドライバーが完走したレースが対象)とフランス人ドライバーが大きく勝ち越しているが、さらに予選では「9対0」(角田は2レースでタイムなし)と全勝。予選での平均タイム差は「0.509秒」と大きく、ポイントでも「50対18」と差は開いている。
 
 寸評では、「チーム間での予選平均タイム差が最も大きかったのが、このアルファタウリだ。角田が一連のミスで自信を失ったのに対し、ガスリーはほとんどのレースで安定したドライビングを見せてQ3に進出、強さと速さを発揮し続けた。角田は開幕戦バーレーンGPでの好パフォーマンスを、今後のレースで垣間見せることができたとしても、ガスリーとのポイント差をなくせる可能性はほとんどない」と、角田に対しては厳しい内容となった。

 ちなみに、他チームでドライバー間の差が大きいのは、マックス・フェルスタッペンがセルジオ・ペレスを圧倒(予選で10対1、決勝で8対1、予選平均タイム差0.452秒)したレッドブル、好調ランド・ノリスと不振が目立つダニエル・リカルドのマクラーレン(8対3、9対1、0.331秒)、そしてジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィのウィリアムズ(11対0、7対2、0.370秒)といったところだ。

 今季のF1で最も速く、安定したドライバーのひとりにも挙げられるガスリーと、デビューイヤーに競わされる。さらに、チームが目標とするコンストラクターズランキング5位を達成するために、今後は可能な限り多くのポイントをコンスタントに獲得することが求められる。ルーキーにとって、今季後半戦は何とも過酷なものとなりそうだが、これを終えた時に角田がいかなる結果を残し、どれほどの進化を遂げているかを確認するのが非常に楽しみである。

構成●THE DIGEST編集部

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