バレーボール

憧れの石川祐希を追い越す存在へ――“新鋭”高橋藍に秘められた可能性。パリ五輪へ向けて見据えるものとは?

THE DIGEST編集部

2021.09.12

東京五輪で存在感を放った20歳の高橋。はたして今後どのような成長を遂げるのか。(C)Getty Images

 世界の強豪とも堂々と渡り合える。

 29年ぶりにベスト8進出を果たし、そんな鮮烈な印象を残した東京五輪から1か月が過ぎた9月。早くも男子バレー日本代表のパリ大会へ向けたスタートが切られようとしている。

 来年ロシアで開催される世界選手権の出場権をかけ、9月12日からはポートアリーナ千葉で開催されるアジア選手権に臨む。東京五輪の12名から清水邦広、関田誠大、西田有志が外れ、新たにオポジットの大竹壱青、初選出の宮浦健人、ミドルブロッカーの福山汰一、セッターの大宅真樹、リベロの小川智大を加えた14名で次なる戦いへ挑む。

 新たに繰り広げられるメンバー争いも関心の1つではあるが、注目は五輪でエース兼キャプテンの石川祐希の対角に入り、攻守で活躍した高橋藍がアジア勢を相手にどんな姿を見せるかだろう。
 
 5月に開催された中国との親善試合では高さに苦戦する場面がありながらも、すぐさま対応する適応力の高さを見せた高橋。続くネーションズリーグでも主軸を担い、五輪は得意のサーブレシーブやキレのあるバックアタック、自ら打つと見せかけて石川にトスを上げるフェイクトスなど、さまざまな場面で見せ場をつくった。

 実力をいかんなく発揮し、大会後にはTwitterやInstagramなど高橋のSNSフォロワー数も一気に増える注目ぶりだ。

 日本のみならず世界へと名を轟かせた高橋に「19歳であれだけできる選手はいない」と中垣内祐一監督は太鼓判を押す。しかしながら、本人は自信だけでなく五輪で自らの課題も見つかった、と冷静に受け止めている。

「オリンピックを通して、経験のなさを実感しました。特に前衛でのスパイク、相手の高さに対する打ち方の部分でまだまだ石川選手とは経験の差がすごくあると感じたので、東京オリンピックが終わってから、世界と戦うためにどういうスキルをつけないといけないか。高さに対してどう打つかを考えながら取り組んでいます」
 
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アジア選手権は「必ず1位を目指して頑張りたい」