ゴルフ

小柄な体格をカバーする西村優菜の“たゆまぬ努力”。5打差からの大逆転劇を支えた「2つの要素」とは?

山西英希

2021.09.20

大会コースレコードに並ぶ「63」を叩き出した西村。ビッグスコアの要因はどこにあったのか。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『住友生命Vitalityレディス東海クラシック』を制したのは、首位と5打差の15位タイからスタートした西村優菜だった。

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 最終組の5組前でスタートした西村は、序盤から積極的にピンを攻めて前半の9ホールで4つのバーディを奪う。後半に入っても勢いは止まらず、さらに5つのバーディを奪って、なんと9バーディ・ノーボギーの「63」をマーク。自己ベストを更新すると同時に、2位以下に2打差をつける大逆転劇を演じ切ったのだ。

 さぞかしこの日はショットがキレキレだったかと思いきや、フェアウェイキープ率は57.1パーセント(24位タイ)、パーオン率は77.8パーセント(26位タイ)。パーオン率の数字は決して低くはないが、前日の雨でグリーンが軟らかくなり、ボールが止まりやすかったせいか、多くの選手が西村以上にグリーンとらえていた。

 そんな状況でなぜ好スコアを出せたのだろうか。
 
 1つ目の理由がパッティングだ。

 23パットは断トツの1位だが、決して短い距離が多かったからではない。最初に奪った3つのバーディこそ、2~2.5メートルの距離につけたものの、その後の5バーディは3~6メートルの距離が続き、ようやく最終ホールでピン手前1メートル。明らかに西村のパッティング技術があってこそのパット数と言えるだろう。

「特に変わったドリルは行なわず、スティックを置いて目線を合わせたり、ティでゲートをつくって出球を合わせる練習をずっと行なっているだけです」と西村自身は語るが、決してそれだけではない。

 メーカーに頼んで作ってもらった極端に軟らかいシャフトのパターでボールを転がすこともあった。自然とゆったりとしたリズムでストロークできるため、打ち急ぎを防げるメリットがあるという。

 また、最近はスライスラインに苦手意識があったので、集中的にそれを練習した結果、スムーズにストロークできるようにもなった。自分の得意技を磨き続けてきたからこそ、今回の爆発的なスコアにつながったのは確かだ。
 
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逆転勝利に導いたもう1つの“要素”は…