その他

”暫定政権”を握るダノンスマッシュの気になる問題とは? 対抗馬、穴馬とともに戦力分析【スプリンターズS】

三好達彦

2021.10.02

約5か月ぶりの出走を迎えるダノンスマッシュ。今大会で春秋スプリント統一王者になれるか?。写真:産経新聞社

 秋のG1シーズンの開幕を告げるスプリンターズステークス(G1、中山・芝1200メートル)が10月3日に開幕。スプリント戦線を引っ張ってきた好メンバーが顔を揃えたなか、誰がその栄冠を掴むのか。戦力分析をしてみよう。

【動画】ダノンスマッシュが悲願の国内G1制覇!JRAが公開した「高松宮記念」のレース映像をチェック

 昨年の覇者であるグランアレグリア(牝5歳/美浦・藤沢和雄厩舎)が中距離路線へと舵を切ったため、中心視されるのは今春の高松宮記念(G1、中京・芝1200メートル)を制したダノンスマッシュ(牡6歳/栗東・安田隆行厩舎)だ。

 それ以外にスプリントG1を制した馬はいないため、"暫定政権"を持つダノンスマッシュと、その政権を奪わんとする中堅の切れ者&新興の3歳、というのがレースの図式となる。

 そのダノンスマッシュは香港スプリント(G1、シャティン・芝1200メートル)、高松宮記念を制したあと、再び香港へ渡ってチェアマアンズスプリント(G1、シャティン・芝1200メートル)を6着として放牧休養に出された。今回は約5か月ぶりの出走となるが、これまでの休養明け初戦で6戦5勝と抜群の実績を残している。
 
 ただ気になるのは、走破時計に関する問題だ。

 G1を勝った2レースはいずれも1分08秒台の決着で、1分07秒台で勝負が決まったレースでの勝ち鞍はない。関東地方には2日の深夜に降雨があるとの予報が出ているので走破時計は馬場状態次第だが、良馬場となると不安が残るだけに、絶対視するのは難しい。

 そこで浮上するのが、前哨戦の1分07秒2という速い決着となったセントウルステークス(G2、中京・芝1200メートル)で激しい追い比べの末、同タイムで1、2着となったレシステンシア(牝4歳/栗東・松下武士厩舎)とピクシーナイト(牡3歳/栗東・音無秀孝厩舎)の2頭である。

 レシステンシアは初の1200メートル戦となった春の高松宮記念でダノンスマッシュとクビ差の2着、そしてセントウルステークスの優勝と、距離適性に強みを見せると同時に、馬場状態を問わないのも魅力的だ。

 対するピクシーナイトは、スプリント路線に参入してから2戦続けて僅差の2着となり、能力の底を見せていないうえ、まだ伸びしろが見込める3歳という若さにも惹かれる。
 
NEXT
PAGE
注目の穴馬をピックアップ!いちばん末脚が”切れる”のは…