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ゴルフ

雨天中止→変則プレーオフで復活V! “世代代表一騎打ち”を制して涙した古江彩佳の心の葛藤とは?

山西英希

2021.10.18

アマ時代の2019年にも同大会で優勝を飾っている古江。11か月ぶりのタイトルに表彰式では涙をこぼすシーンも。(C)Getty Images

アマ時代の2019年にも同大会で優勝を飾っている古江。11か月ぶりのタイトルに表彰式では涙をこぼすシーンも。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『富士通レディース2021』最終日は、降雨によるコースコンディション不良のため競技中止となったが、上位2人による3ホールのプレーオフが実施された。

【画像】「優勝おめでとう」JLPGAが公開した古江の最終日“厳選ショット”をチェック!

 ともに2日目を終えて12アンダーまでスコアを伸ばしていたのが、黄金世代の勝みなみとプラチナ世代の古江彩佳だ。前者は2週前の『日本女子オープン』で2位以下に6打差をつける圧勝劇を演じたばかり。一方の後者も20-21シーズンでは3勝を挙げ、賞金ランキング4位に入っている。

 どちらもナショナルチーム出身で、アマチュア時代にツアー優勝を飾るなど、早くから注目を浴びてきたエリートゴルファー。まさに世代を代表するもの同士の一騎打ちとなったが、勝利の女神は古江に微笑んだ。
 
 プレーオフの舞台は16番パー5、17番パー3、18番パー4の上がり3ホールだった。16番で確実にバーディを奪い、17、18番をパーセーブで逃げ切るというのが一般的な作戦だろう。

 しかし、勝、古江ともに16番でバーディを奪えず、17番を迎える。そして勝がピンの左約20メートルに乗せた後だった。5番ウッドで放った古江のティショットはピン手前に落ちた後、左奥2メートルに止まるのだ。

「もう少し左を狙ったんですけど、運よくバーディを狙える位置にいってくれてよかったと思います」と控えめに振り返った古江だが、その一打を目の当たりにした勝は「あの場面であそこにつけられるはすごいし、勝敗を分けたかなと思います」と素直に称えた。

 バーディパットを沈め、続く最終ホールをパーで締めた古江は、1打差で勝を振り切り、昨年11月の『大王製紙エリエールレディスオープン』以来のツアー通算5勝目を挙げた。

 表彰式のスピーチでは「今年はなかなかうまくいかなかったんですけど、こうして思い出の地で優勝することができて本当にうれしいですし、幸せ者だなあと思います」と話すうちに目から熱いものがあふれてきた。今年に入ってから勝つことができずに苦しんでいたことが頭の中を駆け巡り、それが古江の心を揺さぶったのだ。
 
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