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原英莉花にとって“常に的確”な師匠ジャンボのアドバイス。1年ぶり“お目覚めV”のヒントになったのは?

山西英希

2021.11.22

ブレザー姿でトロフィーを掲げる原。1年ぶりの優勝を支えたジャンボ尾崎のアドバイスとは?(C)Getty Images

ブレザー姿でトロフィーを掲げる原。1年ぶりの優勝を支えたジャンボ尾崎のアドバイスとは?(C)Getty Images

 11月21日、国内女子ツアー『大王製紙エリエールレディスオープン』の最終ラウンドが行なわれ、2位以下に2打差をつけてスタートした原英莉花が混戦に勝利。通算17アンダーで今季3勝目&通算4勝目を飾った。

 大会の開幕前、原は約3か月ぶりに師匠であるジャンボ尾崎を訪ねたという。

 今季も残すところあと2試合という中、今年に関しては未勝利だった。毎年優勝したいと考えている原にとって、低迷気味だった調子を何としても上げたい気持ちが強かったのだろう。そんな弟子の気持ちを察してか、師匠のジャンボもすんなりと原を受け入れてアドバイスを送った。

「腰を痛めて以来、バックスイングばかり意識していたんですが、ジャンボさんには振り切りがよくないと言われました」と原。ショットを曲げたくない意識からいつの間にかインパクトで合わせるようなスイングになり、フィニッシュまで振り切れていなかったのだ。

 それをすぐにジャンボが見抜いたというよりも、原が訪ねてくる前から気づいていたのではないか。やっと来たかというのがジャンボの思いだろう。

「おかげで自分の考えがスッキリしました」と迷いが吹っ切れた原は、今大会の初日で振り切ることだけを考えてラウンドし、初日に「64」をマークして今年初の首位に立つ。2日目は「69」を出して3位に後退するも、3日目を「66」として再び首位の座を奪い返した。
 
 最終日は正直苦しい展開だった。序盤の2番パー4でバーディを奪い、4番パー4でボギー。しばらくパーセーブを続けている間に鈴木愛、福田真未が追い上げ、さらには同組の柏原明日架もスコアを伸ばす。15番パー4を終えたときには、その3人と原が通算15アンダーで並んだ。

 しかし原に焦りはなく、「勝負は上がり3ホール、特に17番パー5がキーホールとなる。それまで我慢しよう」と考えたという。

 迎えた17番は右サイドの池が気になるが、初日、2日目はバーディを奪っていた。絶対にバーディを奪ってやると強く心に決めてドライバーを振り抜くと、クラブフェースがほんの少し開き気味にボールを捉えたのか、自分のイメージ以上に右へ打ち出してしまった。

 思わず打った瞬間に「やばい!」と発したが、運よくボールは池の横1ヤードのところにストップする。せっかくの幸運を逃す手はない。ピンまでの残り214ヤードを7番ウッドで迷わず放つと、ボールはピン右8メートルにナイスオン。そのイーグルパットを沈めて、混戦を抜け出したのだ。
 
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