格闘技・プロレス

中国人インフルエンサーが日本人選手に“ルール無視”の暴行!国内でも非難殺到「最もデタラメで、恥知らずだ」

THE DIGEST編集部

2021.12.20

中国でボクシングのエキシビションマッチに臨んだ木村。しかし、彼を待ち受けていたのは、ありえない蛮行だった(写真は2018年のもの)。(C)Getty Images

 中国で催された"ボクシング"のエキシビションマッチに批判が殺到している。

 事の発端となっているのは、現地時間12月18日に湖北省武漢市で「漢武伝説の翔武争覇」と銘打たれた一戦だ。元WBO(世界ボクシング機関)世界フライ級王者の木村翔が、スペシャル対戦相手として招かれた試合で、物議を醸したのは、中国人インフルエンサーの玄武の傍若無人とも言える振る舞いだ。

 試合はボクシングルールで行なわれるはずだった。しかし、玄武は、序盤から投げる、蹴るなど、ありえない行動で木村を攻撃。さらに第2ラウンドでは抱き上げて、頭から投げ落とすという危険な行為にも及んだ。

 明らかな反則行為であり、即座に試合を止めるべきである。首を痛がる様子を見せた木村をやむを得ずにセコンドが救出。しかし、試合を裁いた中国人審判は、木村が試合を放棄したとして玄武に2回にノックアウト勝ちを言い渡したのだ。

 当たり所が悪ければ、重症あるいは……という事態になっていてもおかしくはない。一部報道によれば、2017年に行なわれたWBO世界フライ級タイトルマッチで、木村が、当時の王者である鄒市明に勝利していたため、玄武はその憂さ晴らしをしようと振舞ったという。だが、この危険極まりない行為には、中国国内でも非難が殺到している。
 
 中国のポータルサイト『捜狐』によれば、中国版ツイッターの「ウェイボー」では、国内の格闘家からも玄武陣営に怒りの声が噴出。MMA選手の劉文擘は「今回の試合は、中国ボクシング、いや格闘技の歴史上で、最も恥知らずで、最もデタラメで、最もスポーツ道徳観のない試合だ」と糾弾。さらにムエタイ選手の羅成紅も「恥ずかしくてたまらない」と断じた。

 また、中国のスポーツ専門サイト『新浪体育』は、「観客かセコンドかはわからないが、『殺せ』という声も上がっていた。現場は明らかに異様な雰囲気だった」とレポートし、次のように批判的な意見を記した。

「本当に間違ったイベントだった。木村サイドは試合中に何度も抗議し、審判団とコミッショナーに試合を止めるように求めていた。これはきちんと開始前にルールが伝えられていれば、全く起きないはずの異様な光景だ。

 彼ら(玄武陣営)は、日本人選手との対戦で国民感情を煽り、トラフィックを獲得さえできれば、インターネットで人気を博すことができると考えている。しかし、彼らに対する声はほとんどが批判的なものであり、この勝負は明らかに中国の恥だと言わざるを得ない」

 なお、試合後に木村は自身のSNSで「悪い人もいれば、いい人もいる。誠実な人もいれば、ずるい人もいる。この件で中国人を嫌いにならないで欲しい」と投稿。命の危険もあっただけに、無事で何よりである。

構成●THE DIGEST編集部
【動画】あわや命の危機!中国人選手と木村翔のエキシビションマッチの危険シーン
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【動画】あわや命の危機!中国人選手と木村翔のエキシビションマッチの危険シーン