井上尚弥との大熱戦を終えたノニト・ドネアは、このままリングを離れるかもしれない。
11月7日にさいたまスーパーアリーナで、ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝が開催され、WBA・IBF王者の井上は、フィリピンの5階級制覇王者ドネアと対戦して、3-0の判定勝ちで大会を制した。
この一戦を多くの胸を熱くさせるまでに昇華させたのは、間違いなくドネアの強さにあった。戦前の下馬評では英国のブックメーカー『William Hill』が1.1倍をつけるなど、井上の圧倒的優勢にあったが、ゴングが鳴った瞬間からその予想は大きく覆された。
序盤から仕掛けたドネアは2ラウンド目に得意の左フックを右目上部にヒットさせる。これで裂傷を負った井上はキャリアで初の流血を経験。「相手が二人に見えた」というほどのダメージを喰らわせたのだ。
その後、11ラウンド目に井上のボディーショットを受け、ダウンを取られて、判定負けを喫したものの、36歳のベテラン戦士は最終12ラウンドまで立ち続けた。その姿には、ツイッターで「感動をありがとう」、「あなたはレジェンドだ」といったコメントが数多く寄せられた。
気になるのは、ドネアの今後の去就だ。2001年2月にプロデビューを飾って以来、数々の歴戦をくぐり抜けてきた名ファイターだが、その年齢を考えれば、グローブを置く決断を下してもおかしくはない。
試合後、米メディア『ESPN』は、ドネアの今後のキャリアについて次のように展望している。
「ドネアは、すでに36歳で、ファイターとしてやるべきことはすべてやった。怪物イノウエとのセンセーショナルな戦いで、持てる力を出し切った感がある。その姿は、2017年4月にアンソニー・ジョシュアとの激闘の末にTKO負けを喫して、引退を決意したヘビー級の偉大なる戦士ウラジミール・クリチコを想起させた。ただ、イノウエとの試合で彼の闘争本能の火が消えていないことも証明された。ゆえに現役続行を決断してもおかしくはないが……」
はたして、百戦錬磨の戦士ドネアはこのまま、リングを去るのか――。その一挙手一投足に注目したい。
構成●THE DIGEST編集部
11月7日にさいたまスーパーアリーナで、ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級決勝が開催され、WBA・IBF王者の井上は、フィリピンの5階級制覇王者ドネアと対戦して、3-0の判定勝ちで大会を制した。
この一戦を多くの胸を熱くさせるまでに昇華させたのは、間違いなくドネアの強さにあった。戦前の下馬評では英国のブックメーカー『William Hill』が1.1倍をつけるなど、井上の圧倒的優勢にあったが、ゴングが鳴った瞬間からその予想は大きく覆された。
序盤から仕掛けたドネアは2ラウンド目に得意の左フックを右目上部にヒットさせる。これで裂傷を負った井上はキャリアで初の流血を経験。「相手が二人に見えた」というほどのダメージを喰らわせたのだ。
その後、11ラウンド目に井上のボディーショットを受け、ダウンを取られて、判定負けを喫したものの、36歳のベテラン戦士は最終12ラウンドまで立ち続けた。その姿には、ツイッターで「感動をありがとう」、「あなたはレジェンドだ」といったコメントが数多く寄せられた。
気になるのは、ドネアの今後の去就だ。2001年2月にプロデビューを飾って以来、数々の歴戦をくぐり抜けてきた名ファイターだが、その年齢を考えれば、グローブを置く決断を下してもおかしくはない。
試合後、米メディア『ESPN』は、ドネアの今後のキャリアについて次のように展望している。
「ドネアは、すでに36歳で、ファイターとしてやるべきことはすべてやった。怪物イノウエとのセンセーショナルな戦いで、持てる力を出し切った感がある。その姿は、2017年4月にアンソニー・ジョシュアとの激闘の末にTKO負けを喫して、引退を決意したヘビー級の偉大なる戦士ウラジミール・クリチコを想起させた。ただ、イノウエとの試合で彼の闘争本能の火が消えていないことも証明された。ゆえに現役続行を決断してもおかしくはないが……」
はたして、百戦錬磨の戦士ドネアはこのまま、リングを去るのか――。その一挙手一投足に注目したい。
構成●THE DIGEST編集部