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昨季F1最終戦での「無線」が英国で物議。レッドブルとレースディレクターのやり取りにOBたちが不快感

THE DIGEST編集部

2022.02.12

ラストラップでフェルスタッペン(右)がハミルトンをかわした昨季の最終戦は劇的な幕切れだったが…。(C)Getty Images

ラストラップでフェルスタッペン(右)がハミルトンをかわした昨季の最終戦は劇的な幕切れだったが…。(C)Getty Images

 昨季のF1最終戦アブダビGPは劇的な幕切れだった。

 メルセデスのルイス・ハミルトンが同ポイントのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑えて史上最多8度目の世界王者をほぼ確実なものとした終盤に、ウィリアムズのニコラス・ラティフィがウォールでクラッシュしたことでセーフティーカー(SC)が出動。有利不利が逆転した状態でレースは残り1周で再開となり、タイヤに履き替えたフェルスタッペンがライバルをかわして大逆転での優勝を飾った。

【関連動画】フェルスタッペンがハミルトンを抜いて初の王者に!F1史に残る劇的なレースになった2021年最終戦のハイライト

 これは歴史に残るシーンだと呼ばれる一方で、SC出動中の周回遅れの車について、ハミルトンとフェルスタッペンの間にいた車だけが排除されてレースが再開となったことなどが問題視され(もちろんメルセデスは猛抗議)、統括機関による「レース(結果)の操作」との批判が噴出。結果、FIA(国際自動車連盟)はこれに関する調査を行なうこととなり、レースディレクターのマイケル・マシが任を解かれる可能性も示唆していた。

 そんな中、昨年12月16日にF1から公開されたレース中の動画が、再び英国で脚光を浴び、物議を醸すこととなった。これは、SC出動中のジョナサン・ウィートリー(レッドブル・スポーツディレクター)とマシによる無線でのやりとりで、前者がハミルトンとフェルスタッペンの間の周回遅れだけを排除するよう要請し、これを前者が「分かった」と返事をしているものである。

 英国公共放送『BBC』は「マシがレッドブルの意に沿う決定を下したという印象を与える」と指摘。また、「F1のパドックでは、マシがルールブックに反し、個人の意思でチャンピオンシップの行方の決定に直接影響を与えたということで意見が一致している」とも主張している。
 
 一方、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は、この件に関するF1ドライバーのOBたちの意見を紹介、マーティン・ブランドルは「本当に不快だ。非常に受け入れがたい。多くのファンを不幸にした」と語り、「サッカーやラグビーでなら、このようなことはあり得ないだろう」とF1の運営に対して批判をぶつけた。デイモン・ヒルもSNSで「聞いて気分の良いものではない。(レッドブル以外に)これに満足する者はいない」とネガティブに言及した。

 スポーツ専門メディア『sportskeeda』も報道し、「ハミルトンのファンは、マシが適切な手順を踏むことなく、レッドブルの“指示”を実行したと非難している」と伝えているが、一方で「マシはレッドブルに考慮したかもしれないが、それ以前にはメルセデスにも考慮したと指摘する声もある」として、レースコントロールの一貫性のなさに最大の問題点があると見ている。

 前述のブランドルもレースコントロールの“帳尻合わせ”とともに、現行のシステムを批判し、「マシを解任しても解決にはならない」と指摘している。ただ、他にも運営側よりもチームが力を持ってしまっているF1の現状を糾弾する声は少なくない。FIAは今回注目を集めた動画についても認識しており、調査における証拠のひとつであるとの声明を出している。この調査結果は3月18日に発表される。

 なお、この英国での“騒ぎ”について、フェルスタッペンの母国であるオランダのメディア『RN365』は「昨年12月にすでにリリースされていたYouTubeの動画で、英国のメディアが突然混乱と困惑に陥った」と報じている。

構成●THE DIGEST編集部

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