2月20日に閉幕した北京五輪。4年に一度のウインタースポーツの祭典において、“時の人”となったのが、ロシア・フィギュアスケート界を代表する名コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏だ。
その名が世界規模でクローズアップされるようになったのは、現地時間2月17日に行なわれた女子フィギュアスケートシングルスのフリースケーティング(FS)での振る舞いである。
ドーピング騒動に揺れた教え子のカミラ・ワリエワが、FSで珍しく得意のジャンプで転倒を連発。当然、メダル争いからの離脱を覚悟した本人は涙ながらにリンクから上がる。すると、そんな15歳のもとへ寄ったトゥトベリーゼ氏は「戦うのを放棄したわね。なぜそうしたの。説明しなさい。なぜ?」と叱責。これが世界に中継されると、47歳の敏腕コーチは、非難の的となった。
トゥトベリーゼ氏の言動は非情とも言える。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長も、「非常に冷ややかな雰囲気を感じ取れた。こんなにも自分たちのアスリートに対して冷たい態度を取れるものなのかと思うほどだ」と断じた。
もっとも、ロシア・フィギュアスケート界に栄光をもたらしてきた同コーチの手腕に対する国内の評価は揺るぎない。そうした意見のなかには、バッハ会長の批判に反発するものもある。
「あのチームとワリエワをあの状況に追い込んだのは誰? 彼は普段から何もせずに黙って座っているだけ。それなのにあんな失礼なこと言っていいの?」
そう糾弾したのは、元ロシア代表のイリーナ・スルツカヤだ。2002年のソルトレークシティー五輪の銀メダリストである彼女は、ロシアのYouTubeチャンネル『Edition』のインタビューで、次のように語った。
「バッハ会長はワリエワが世界的なバッシングを受け、リンチをされていた時も、何事もなかったかのように座って傍観しているだけだった。彼は自分がカメラのレンズを通して見たものが気に入らなかった。それだけ。おじさんは自分の道を行けばいい」
68歳になる重鎮を真っ向から非難したスルツカヤは、こうトゥトベリーゼ氏を称えている。
「彼女はたしかに厳しいコーチ。でも、オリンピックチャンピオンに、やわなコーチは必要だと思う? 私のコーチであるジャンナ・グロモワもとても厳しかった。でも、私はこうして生きていて、健康に2個のオリンピックメダルを手にした」
すでに北京五輪は閉幕した。だが、ロシアの名コーチに関する議論は、様々な関係者を巻き込みながら、拡大し続けている。
構成●THE DIGEST編集部
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その名が世界規模でクローズアップされるようになったのは、現地時間2月17日に行なわれた女子フィギュアスケートシングルスのフリースケーティング(FS)での振る舞いである。
ドーピング騒動に揺れた教え子のカミラ・ワリエワが、FSで珍しく得意のジャンプで転倒を連発。当然、メダル争いからの離脱を覚悟した本人は涙ながらにリンクから上がる。すると、そんな15歳のもとへ寄ったトゥトベリーゼ氏は「戦うのを放棄したわね。なぜそうしたの。説明しなさい。なぜ?」と叱責。これが世界に中継されると、47歳の敏腕コーチは、非難の的となった。
トゥトベリーゼ氏の言動は非情とも言える。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長も、「非常に冷ややかな雰囲気を感じ取れた。こんなにも自分たちのアスリートに対して冷たい態度を取れるものなのかと思うほどだ」と断じた。
もっとも、ロシア・フィギュアスケート界に栄光をもたらしてきた同コーチの手腕に対する国内の評価は揺るぎない。そうした意見のなかには、バッハ会長の批判に反発するものもある。
「あのチームとワリエワをあの状況に追い込んだのは誰? 彼は普段から何もせずに黙って座っているだけ。それなのにあんな失礼なこと言っていいの?」
そう糾弾したのは、元ロシア代表のイリーナ・スルツカヤだ。2002年のソルトレークシティー五輪の銀メダリストである彼女は、ロシアのYouTubeチャンネル『Edition』のインタビューで、次のように語った。
「バッハ会長はワリエワが世界的なバッシングを受け、リンチをされていた時も、何事もなかったかのように座って傍観しているだけだった。彼は自分がカメラのレンズを通して見たものが気に入らなかった。それだけ。おじさんは自分の道を行けばいい」
68歳になる重鎮を真っ向から非難したスルツカヤは、こうトゥトベリーゼ氏を称えている。
「彼女はたしかに厳しいコーチ。でも、オリンピックチャンピオンに、やわなコーチは必要だと思う? 私のコーチであるジャンナ・グロモワもとても厳しかった。でも、私はこうして生きていて、健康に2個のオリンピックメダルを手にした」
すでに北京五輪は閉幕した。だが、ロシアの名コーチに関する議論は、様々な関係者を巻き込みながら、拡大し続けている。
構成●THE DIGEST編集部
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