各国のトップアスリートがしのぎを削りあった北京五輪。世界の注目を集めた17日間には、さまざまな出来事が起きた。そのなかで、女子フィギュアスケートのROC(ロシアオリンピック委員会)のカミラ・ワリエワのドーピング騒動や、物議を醸したジャッジや採点などネガティブな話題も尽きなかった。
今大会のありとあらゆる騒動には、各国メディアでも異論が噴出。今も小さくない余波が広がっている。そのなかで、興味深い意見を示したのが、元女子フィギュアスケート韓国代表のキム・ヨナだ。現地時間2月23日に母国のテレビ局『SBS』の番組に出演した31歳は、こう持論を展開したのである。
「スポーツをするすべての選手たち、またスポーツを愛するすべての人たちが、よく理解して信じているスポーツ精神というものがある。だから、それを保てれば、選手も、見る人も、みんなが共感できる大会になる」
この約1か月は、「いち視聴者の立場で競技を見て、出ている選手たちを心から応援した」という。そんな韓国が誇る"氷上の女王"は、15歳のワリエワの過去のドーピング使用が明るみとなった女子フィギュアスケート界の現状を嘆くように続けた。
「私もかなり小さい時にフィギュアスケートを始め、競技がどれほど大変ものかもわからずにとにかく楽しんで滑った。でも、年をとるにつれて、心理的にも、肉体的にも、本当に多くのつらいことがあった。体調も崩して負傷も多かったから、毎日泣きながら練習していた」
期間中にキム・ヨナは、大会への継続参加が認可されたワリエワに、自身のインスタグラムで、「ドーピング違反をしたアスリートは、その競技に参加はできない。この原則は例外なく守られなければならない」と強く断じていた。そんな元女王だけに、リンク外の騒動が悪目立ちしてしまった今五輪には、やはり思うところがあるようだ。
構成●THE DIGEST編集部
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