北京五輪・女子シングルで金メダルに輝いたアンナ・シェルバコワ。3月28日に18歳の誕生日を迎えたロシアの至宝は、先週末に国内で開催された対抗戦「チャンネル・ワン杯」でも華麗なパフォーマンスを披露し、観る者を唸らせた。
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以前にも現役引退の可能性を示唆していたシェルバコワに対して、ロシア・メディアがあらためてその注目点を問いかけた。大人びた言動が顕著な五輪女王は、次のように想いを明かしている。
「私自身、まだどこにゴールを求めるのかは決めていませんし、気持ちに変化はありません。いまは休息を取りたいだけで、来シーズンどうなるかも分からない。すべてが混沌としていて、どんなものが私たちを待ち受けているのかがハッキリしていません。だから、休息を取って回復に努めながら見極める必要があります。今シーズンは本当に輝かしく成功に満ちていましたが、今後は誰にとっても難しくなる。来シーズンが近づいてくれば、結論を出すと思います」
現在、ロシア勢は国際大会から締め出されている。スポーツメディア『Sport24』のインタビュアーに「未来への混乱が結論に与える影響は大きい?」と訊かれると、「はい。直接的に関わってくるものです」とキッパリ答えた。
シェルバコワの発言を受けて、ロシア・フィギュアスケート界の重鎮たちからはさまざまな意見が飛び出した。2006年トリノ五輪・ペアの金メダリストであるマキシム・マリニン氏は「オリンピックの金メダルはほかのどんな栄誉にも優る。アンナは途轍もなく巨大なプレッシャーと、地球上のあらゆる優秀なスケーターを打ち負かしたんだ」と称え、「ではまた次のオリンピックに迎えるか。貪欲で沸き立つ若き挑戦者たちと闘えるか。私は彼女の言葉に簡単ではない多くを感じ取ったよ」とおもんぱかった。
シングルとペアで活躍したカタリナ・ゲルボルト氏は「ISU(国際スケート連盟)の不可解な裁定に翻弄されるくらいなら、勝者のままキャリアを終えたほうがいいわ」と言い切り、「一度引退が頭をよぎれば、ふたたび奮い立たせるのは難しい。ましてや休みが長引けば、トップフォームを取り戻すのは大変よ」と論じた。
トリノ五輪・アイスダンスの金メダリスト、ロマン・コストマロフ氏は「そっとしておいたほうがいい。辞めるか続けるかは、オリンピックで頂点にまで立った彼女が決めること。他人が口を挟むなど愚かだ」とピシャリ。ペアの名コーチであるルドミラ・ヴェリコワ氏は「彼女はフィギュアスケートですべてを手に入れた。人生にはほかにもたくさんの職業があり、進める道がある。彼女は賢いから、単に感情に走って話したのではないと思う」と語った。
そして、フィギュアスケートの育成施設「サンボ70」の責任者を務めるレナト・ライシェフ氏からは、引退を惜しむ声が聞かれた。「もし今引退を決断してしまうなら、とても残念だ。あれほど才能に恵まれ、スポーツと芸術を結びつけられるスケーターはそうそういないからね」と語ったうえで、「若いアスリートにとって、今回のような制裁が与える精神的負担は大きすぎる。必死に練習を積み重ねてきた者を突然襲ったんだ」と怒りを滲ませた。
シェルバコワは北京五輪終了後、「私にはフィギュアスケートしかありません。いずれは勉強して指導者を目ざしたい」と将来像を語っていた。はたしてそれはいつスタートするのか。18歳の決断を待つほかない。
構成●THE DIGEST編集部
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以前にも現役引退の可能性を示唆していたシェルバコワに対して、ロシア・メディアがあらためてその注目点を問いかけた。大人びた言動が顕著な五輪女王は、次のように想いを明かしている。
「私自身、まだどこにゴールを求めるのかは決めていませんし、気持ちに変化はありません。いまは休息を取りたいだけで、来シーズンどうなるかも分からない。すべてが混沌としていて、どんなものが私たちを待ち受けているのかがハッキリしていません。だから、休息を取って回復に努めながら見極める必要があります。今シーズンは本当に輝かしく成功に満ちていましたが、今後は誰にとっても難しくなる。来シーズンが近づいてくれば、結論を出すと思います」
現在、ロシア勢は国際大会から締め出されている。スポーツメディア『Sport24』のインタビュアーに「未来への混乱が結論に与える影響は大きい?」と訊かれると、「はい。直接的に関わってくるものです」とキッパリ答えた。
シェルバコワの発言を受けて、ロシア・フィギュアスケート界の重鎮たちからはさまざまな意見が飛び出した。2006年トリノ五輪・ペアの金メダリストであるマキシム・マリニン氏は「オリンピックの金メダルはほかのどんな栄誉にも優る。アンナは途轍もなく巨大なプレッシャーと、地球上のあらゆる優秀なスケーターを打ち負かしたんだ」と称え、「ではまた次のオリンピックに迎えるか。貪欲で沸き立つ若き挑戦者たちと闘えるか。私は彼女の言葉に簡単ではない多くを感じ取ったよ」とおもんぱかった。
シングルとペアで活躍したカタリナ・ゲルボルト氏は「ISU(国際スケート連盟)の不可解な裁定に翻弄されるくらいなら、勝者のままキャリアを終えたほうがいいわ」と言い切り、「一度引退が頭をよぎれば、ふたたび奮い立たせるのは難しい。ましてや休みが長引けば、トップフォームを取り戻すのは大変よ」と論じた。
トリノ五輪・アイスダンスの金メダリスト、ロマン・コストマロフ氏は「そっとしておいたほうがいい。辞めるか続けるかは、オリンピックで頂点にまで立った彼女が決めること。他人が口を挟むなど愚かだ」とピシャリ。ペアの名コーチであるルドミラ・ヴェリコワ氏は「彼女はフィギュアスケートですべてを手に入れた。人生にはほかにもたくさんの職業があり、進める道がある。彼女は賢いから、単に感情に走って話したのではないと思う」と語った。
そして、フィギュアスケートの育成施設「サンボ70」の責任者を務めるレナト・ライシェフ氏からは、引退を惜しむ声が聞かれた。「もし今引退を決断してしまうなら、とても残念だ。あれほど才能に恵まれ、スポーツと芸術を結びつけられるスケーターはそうそういないからね」と語ったうえで、「若いアスリートにとって、今回のような制裁が与える精神的負担は大きすぎる。必死に練習を積み重ねてきた者を突然襲ったんだ」と怒りを滲ませた。
シェルバコワは北京五輪終了後、「私にはフィギュアスケートしかありません。いずれは勉強して指導者を目ざしたい」と将来像を語っていた。はたしてそれはいつスタートするのか。18歳の決断を待つほかない。
構成●THE DIGEST編集部
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