その他

ダービー勝利の“味”を知るふたりに支えられたドウデュースが大舞台を制す!イクイノックスとの叩き合いも「馬の気配を感じ伸びてくれた」【日本ダービー】

三好達彦

2022.05.31

遅生まれながらメンタルの強さを兼ね備えたドウデュースが日本ダービーを制した。写真:産経新聞社

 夏を思わせるような快晴のもと、5月29日(日)に東京競馬場で第89回日本ダービー(G1、芝2400メートル)が行なわれ、単勝3番人気のドウデュース(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)が2分21秒9というレースレコードで優勝。手綱をとった武豊騎手が自身の持つ歴代最多勝利記録を「6」に伸ばし、これが通算3勝目となった友道調教師も単独の現役最多勝利トレーナーとなった。

 クビ差の2着には2番人気のイクイノックス(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)が入り、先行した7番人気のアスクビクターモア(牡3歳/美浦・田村康仁厩舎)が粘り込んだ。

 また、1番人気に推されたダノンベルーガ(牡3歳/美浦・堀宣行厩舎)は4着に、皐月賞を制した4番人気のジオグリフ(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)は7着に敗れた。

 単勝オッズが10倍を切る人気の4頭が揃って外枠に入るという特異な状況となった今年。特にイクイノックスは大外の18枠を引いたことで、クリストフ・ルメール騎手が愛馬をどういざなうかに注目が集まった。

 ゲートが開くと、予想どおりにデシエルト(牡3歳/栗東・安田隆行厩舎)が積極的に逃げ、アスクビクターモアが2番手に付ける。ダノンベルーガとジオグリフは中団の10番手付近、ドウデュースは13~14番手あたりのポケットになったスペースへ上手く入り込む。そして大外から出たイクイノックスは、無理せず後方の16番手から追走した。

 デシエルトが刻んだラップは、1000メートルの通過が58秒9というハイペース。隊列は縦長になり、淀みのない流れ3コーナーを通過し、中団から後方にかけてポジションをとった人気馬たちも徐々にピッチを上げながら4コーナーを回った。
 
 直線坂下でバテたデシエルトを交わしてアスクビクターモアが先頭に立ち、懸命にゴールを目指すが、後続はそれを目標にしてぐんぐんと差を詰めてくる。なかでも伸びが目立ったのは外を回った2頭、ドウデュースとイクイノックス。若干先に仕掛けたドウデュースが残り200メートル付近で先頭に躍り出るが、そこへイクイノックスが猛追。

 2頭の激しい叩き合いとなったが、「馬の気配を感じたらまた伸びてくれた」(武豊騎手)というドウデュースが、迫るイクイノックスをクビ差退けて優勝。2019年に生まれたサラブレッド7522頭の頂点に立った。

 武騎手は、
「スタートはそれほど速い馬ではないので、(後方から行くのは)予定どおり。レースではある程度、想定していた流れと並び(各馬の位置取り)になって、すごくいいポジションを取れたと思いました。4コーナーを回るときはしびれるような手応えで、軽くゴーサインを出したら反応が良すぎて、先頭に立つのが少し早くなってしまったほどです」
 とレースを述懐し、3年ぶりに入場制限が大幅に緩和された日本ダービーの大舞台で、6万人以上の観客から大きな拍手と"ユタカ・コール"を受けた喜びを表した。
 
NEXT
PAGE
友道調教師がドウデュースの優勝後に語ったことは?