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衝撃のメジャー初制覇から1年——全米女子OPに帰ってくる笹生優花の現状、そして連覇のカギを握るポイントとは?

山西英希

2022.06.01

昨年大会を史上最年少で制した笹生。連覇となれば、21年ぶり史上8人目の快挙だ。(C)Getty Images

 海外メジャーである『全米女子オープン』が現地6月2日~5日、米ノースカロライナ州のパインニードルズ・ロッジ&GCにて開催される。

【動画】連覇を狙う笹生、昨年大会を制した歴史的瞬間をプレーバック!

 昨年は、日本の笹生優花が畑岡奈紗とのプレーオフを制し、初のメジャータイトルを獲得。樋口久子、渋野日向子、松山英樹に続く史上4人目のメジャータイトルホルダーとなった。今年は、その笹生がディフェンディングチャンピオンとしてどのような戦いを見せるのか注目が集まる。

 正直、昨年大会で笹生が優勝すると予想していた人はいなかったのではないか。確かに国内女子ツアーでは2020年に2勝を挙げ、その圧倒的な飛距離とともに注目を浴びる存在だった。しかしながら、海外ではこれといった実績もなく、4月に開催された『ロッテ選手権』での6位タイが最高位だったのだ。

 しかも、米女子ツアーでのツアーカードを持っていなかったため、大会後は帰国して国内女子ツアーに3試合出場。その後、米国に戻っての『全米女子オープン』出場でもあった。隔離期間などを考えれば、決して万全な状態で本戦を迎えたわけではなかったといえる。

 にもかかわらず、笹生は初日から3日間安定したゴルフを見せ、最終日を首位と1打差の6アンダーでスタート。初のメジャー制覇に期待が高まった。

 ところが、いきなり2番パー4、3番パー3で連続ダブルボギーを叩いてしまう。普通ならそのままズルズルとスコアを落としていくところだが、笹生はあきらめなかった。残り15ホールを懸命にプレーした結果、スコアを2つ戻して通算4アンダーでプレーオフに進出して見せたのだ。

 メジャーチャンピオンとしてツアーカードを獲得した笹生は、大会後、米女子ツアーに本格参戦することを表明。『全米女子オープン』後は、今年5月までに20試合出場している。その詳細を見ると、トップ10入りが7回あり、最高位は今年1月『ゲインブリッジLPGA』での3位だ。

 また、今季のスタッツを見ると、CMEグローブポイントランキングでは19位とまずまずの位置をキープしつつ、ドライビングディスタンスでの275・51ヤード(5位)が光っている。
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大会連覇は“フェアウェイキープ”がひとつのカギに