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ゴルフ

衝撃のメジャー初制覇から1年——全米女子OPに帰ってくる笹生優花の現状、そして連覇のカギを握るポイントとは?

山西英希

2022.06.01

 その笹生が連覇を達成するには、どこまでフェアウェイをキープできるかだ。今年の舞台となるパインニードルズ・ロッジ&GCは、過去に『全米女子オープン』を3度開催している。優勝者はアニカ・ソレンスタム、カリー・ウエブ、クリスティ・カーと実力者ぞろいであることを鑑みても、コースの難易度が高く、総合力が試されるといっていい。

 実際、コースの設計者は難コースをいくつも手掛けてきたドナルド・ロスだ。各ホールが林でセパレートされ、グリーン周りなど絶妙な位置にバンカーが配されている。フェアウェイの両サイドは長いラフはなく、砂地かベアグラウンドになっている。ホールによってはバンカー内にブッシュが点在するため、運が悪いとピンを狙えない状況を迎えることも多いだろう。

 主催者である全米ゴルフ協会(USGA)はおそらくグリーンを硬めにセッティングすることが予想されるだけに、フェアウェイを外すとグリーンに止めるのは難しくなる。今季、笹生のフェアウェイキープ率が69.59パーセント(108位)とそれほど高くないのは気になるところだ。

 ただ、昨年と比べれば、自分で出場する試合を選択できる状況でシーズンを迎え、米国でずっと生活しながらトーナメントに出場してきただけに、フィジカル面、メンタル面ではいい状態で本戦に入れるのではないか。

 ディフェンディングチャンピオンということで、大会前から注目され、メディア対応にも追われるだろうが、笹生の場合はその辺は割り切っているので、自分のペースを崩すこともない。

 例年、『全米女子オープン』は我慢大会になるが、昨年の成功体験がピンチを迎えたときの支えになるはず。最後まであきらめなければチャンスがくることを最も理解している選手だからだ。世界のトップクラスが鎬を削るだけに、勝つこと自体容易ではないが、優勝争いに絡むことができれば連覇のチャンスも生まれるのではないか。

文●山西英希
著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、07年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

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