敵地での一戦で王座を守り抜いた日本人チャンプが見せた振る舞いが話題となっている。
注目を集めているのは、現地時間6月10日にメキシコ・グアダラハラで行なわれたボクシングのWBA世界ライトフライ級王座統一戦で、正規王者のエステバン・ベルムデス(メキシコ)を8回TKOで撃破した同級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)だ。
序盤から両者が接近戦で激しく打ち合った試合は、“血染めの決闘”とも言える展開になった。8回に猛ラッシュを仕掛けた京口が、棒立ちとなったベルムデスに50発以上のパンチを浴びせて雌雄は決したが、28歳の日本人王者は2度のペナルティーを取られていた。
いずれも勢い余った不可抗力気味の判定ではあった。だが、いずれもジャッジは見逃さなかった。一度目は6回に接近戦のなかで頭部をぶつけてしまって相手が額から出血。2度目は7回にダウンを奪った場面で後頭部を殴ってしまったのである。
これによって、2つの減点が科され、会場の雰囲気も険悪になる。だが、それでも動じずに見事に勝ち切った京口。ブーイングもこだました試合直後には怪我をさせてしまったベルムデスのもとに駆け寄り、土下座をするかのように複数回も頭を下げた。
SNSでも「危険だ」という批判的な声が現地のファンを筆頭に相次いだ。そのなかで試合後のフラッシュインタビューに応じた28歳は、改めてライバルへの謝罪を口にした。
「ベルムデス選手に素晴らしいファイトをしてくれて、ありがとうという言葉と、反則打、失礼な行為をしてしまったので、そこは謝りたいと思って、謝りました」
紳士的に問題の場面を振り返った京口は、「少し厳しめかなとは思った」とジャッジに対する率直な意見を語りつつも、「相手にダメージを与えてしまった反則なので、それは仕方ないなと思いました」と言い訳はせず。自らの行ないに対する非を認めた。
なお、試合後の一連の謝罪については、現地メディアでも反響が相次いでおり、米老舗ボクシング誌『The Ring』は、「王者となったキョウグチは膝をついて謝ると、ベルムデスもそれを受け入れて二人は抱き合った」とレポートしている。
とにもかくにも、難局を乗り越えて、またひとつステップアップを果たした。「素晴らしいタフなファイター相手にKOで勝てたことを誇りに思います」と語った京口は、プロキャリア16戦無敗(11KO)と存在感を強めている。
構成●THE DIGEST編集部
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注目を集めているのは、現地時間6月10日にメキシコ・グアダラハラで行なわれたボクシングのWBA世界ライトフライ級王座統一戦で、正規王者のエステバン・ベルムデス(メキシコ)を8回TKOで撃破した同級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)だ。
序盤から両者が接近戦で激しく打ち合った試合は、“血染めの決闘”とも言える展開になった。8回に猛ラッシュを仕掛けた京口が、棒立ちとなったベルムデスに50発以上のパンチを浴びせて雌雄は決したが、28歳の日本人王者は2度のペナルティーを取られていた。
いずれも勢い余った不可抗力気味の判定ではあった。だが、いずれもジャッジは見逃さなかった。一度目は6回に接近戦のなかで頭部をぶつけてしまって相手が額から出血。2度目は7回にダウンを奪った場面で後頭部を殴ってしまったのである。
これによって、2つの減点が科され、会場の雰囲気も険悪になる。だが、それでも動じずに見事に勝ち切った京口。ブーイングもこだました試合直後には怪我をさせてしまったベルムデスのもとに駆け寄り、土下座をするかのように複数回も頭を下げた。
SNSでも「危険だ」という批判的な声が現地のファンを筆頭に相次いだ。そのなかで試合後のフラッシュインタビューに応じた28歳は、改めてライバルへの謝罪を口にした。
「ベルムデス選手に素晴らしいファイトをしてくれて、ありがとうという言葉と、反則打、失礼な行為をしてしまったので、そこは謝りたいと思って、謝りました」
紳士的に問題の場面を振り返った京口は、「少し厳しめかなとは思った」とジャッジに対する率直な意見を語りつつも、「相手にダメージを与えてしまった反則なので、それは仕方ないなと思いました」と言い訳はせず。自らの行ないに対する非を認めた。
なお、試合後の一連の謝罪については、現地メディアでも反響が相次いでおり、米老舗ボクシング誌『The Ring』は、「王者となったキョウグチは膝をついて謝ると、ベルムデスもそれを受け入れて二人は抱き合った」とレポートしている。
とにもかくにも、難局を乗り越えて、またひとつステップアップを果たした。「素晴らしいタフなファイター相手にKOで勝てたことを誇りに思います」と語った京口は、プロキャリア16戦無敗(11KO)と存在感を強めている。
構成●THE DIGEST編集部
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