6月26日(日)、中央競馬の上半期を締め括る宝塚記念(GⅠ、阪神・芝2200m)が行われ、単勝2番人気に推されたタイトルホルダー(牡4歳/美浦・栗田徹厩舎)が圧勝。昨年の菊花賞(GⅠ、阪神・芝3000m)、今年の天皇賞・春(GⅠ、阪神・芝3200m)に続き、GⅠレース3勝目を挙げた。
2着には中団から差してきた5番人気のヒシイグアス(牡6歳/美浦・堀宣行厩舎)が入り、3着には一昨年の三冠牝馬である4番人気のデアリングタクト(牝5歳/栗東・杉山晴紀厩舎)が追い込んだ。
【関連記事】2度目の阪神でエフフォーリアの復活を狙う! 穴ならレーン騎乗のヒシイグアスが面白い【宝塚記念プレビュー】 また、1番人気での出走となったエフフォーリア(牡4歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)は末脚が伸ばせずに6着となり、大阪杯(GⅠ、阪神・芝2000m)の9着に続いて大敗を喫した。
見る者たちの憶測をはるかに超える強さだった。
抜群のスタートを切ったタイトルホルダーが先陣を切るが、“逃げ宣言”をしながらもゲートの出がやや遅れ気味になったパンサラッサが鞍上の叱咤によってダッシュを利かせ、先頭を奪って最初のコーナーへ入っていく。3~4馬身差の位置でタイトルホルダーが2番手を追走。3番人気に推されたディープボンドも積極的に3番手に付けると、ヒシイグアスは中団をキープ。エフフォーリアとデアリングタクトは後方の前めを進み、長い隊列ができた。
気分よく逃げることに勝機を見出したいパンサラッサは、1000mの通過が57秒6という「超」の字が付くハイペースで容赦なく逃げる。が、タイトルホルダーやディープボンドは先頭からの距離を3~4馬身差で保ちながら、”逃がしてなるまい”とばかりに追走を続ける。そして馬群が3コーナーに差し掛かる段階でディープボンドの手綱が激しく動き始め、まだ脚色に余裕がありそうなタイトルホルダーとの2頭でパンサラッサとの差を詰めて内回りコースの4コーナーを回って直線へ向く。
パンサラッサが粘ろうとするが、抵抗できたのは一瞬のこと。タイトルホルダーが力強い末脚を繰り出して先頭に躍り出ると、ぐいぐいと後続を突き放す。馬群をさばいて中団からヒシイグアスが伸びてくるがそれを寄せ付けず、2馬身差を付けてゴール。タイムの2分09秒7は、従来の記録を0秒4も更新する驚異的なコースレコードだった。
「(タイトルホルダーに)乗せていただくのはこれが4回目で、リズムよく走れる雰囲気はつかめていました。しっかり(スタートを)出して、それでも来るなら来い、というつもりで行きました」
とは、レース後の横山和生騎手。ハイペースと分かりながら2番手で付いていく強気なレースぶりは、タイトルホルダーの並外れたタフさに対する自信に裏打ちされたものだったのである。
菊花賞、天皇賞・春という長距離レースだけではなく、2200mの宝塚記念をコースレコードで走り抜いたことは、一介のステイヤーではないスピード能力の高さも示すもので、今後の彼の価値を決めるうえで大きな財産になる。先走った話にはなるが、昨年の8月末に9歳で早世した父ドゥラメンテ(その父キングカメハメハ)の後継種牡馬としての将来は明るいものとなるだろう。
そしてレース後、「次は凱旋門賞(仏G1、ロンシャン・芝2400m)へ直行。(騎手は横山)和生でいきます」と、栗田徹調教師が発表。今年の日本ダービーを制したドウデュース(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)とともに向かう秋のフランス遠征がますます楽しみになった。
2着には中団から差してきた5番人気のヒシイグアス(牡6歳/美浦・堀宣行厩舎)が入り、3着には一昨年の三冠牝馬である4番人気のデアリングタクト(牝5歳/栗東・杉山晴紀厩舎)が追い込んだ。
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見る者たちの憶測をはるかに超える強さだった。
抜群のスタートを切ったタイトルホルダーが先陣を切るが、“逃げ宣言”をしながらもゲートの出がやや遅れ気味になったパンサラッサが鞍上の叱咤によってダッシュを利かせ、先頭を奪って最初のコーナーへ入っていく。3~4馬身差の位置でタイトルホルダーが2番手を追走。3番人気に推されたディープボンドも積極的に3番手に付けると、ヒシイグアスは中団をキープ。エフフォーリアとデアリングタクトは後方の前めを進み、長い隊列ができた。
気分よく逃げることに勝機を見出したいパンサラッサは、1000mの通過が57秒6という「超」の字が付くハイペースで容赦なく逃げる。が、タイトルホルダーやディープボンドは先頭からの距離を3~4馬身差で保ちながら、”逃がしてなるまい”とばかりに追走を続ける。そして馬群が3コーナーに差し掛かる段階でディープボンドの手綱が激しく動き始め、まだ脚色に余裕がありそうなタイトルホルダーとの2頭でパンサラッサとの差を詰めて内回りコースの4コーナーを回って直線へ向く。
パンサラッサが粘ろうとするが、抵抗できたのは一瞬のこと。タイトルホルダーが力強い末脚を繰り出して先頭に躍り出ると、ぐいぐいと後続を突き放す。馬群をさばいて中団からヒシイグアスが伸びてくるがそれを寄せ付けず、2馬身差を付けてゴール。タイムの2分09秒7は、従来の記録を0秒4も更新する驚異的なコースレコードだった。
「(タイトルホルダーに)乗せていただくのはこれが4回目で、リズムよく走れる雰囲気はつかめていました。しっかり(スタートを)出して、それでも来るなら来い、というつもりで行きました」
とは、レース後の横山和生騎手。ハイペースと分かりながら2番手で付いていく強気なレースぶりは、タイトルホルダーの並外れたタフさに対する自信に裏打ちされたものだったのである。
菊花賞、天皇賞・春という長距離レースだけではなく、2200mの宝塚記念をコースレコードで走り抜いたことは、一介のステイヤーではないスピード能力の高さも示すもので、今後の彼の価値を決めるうえで大きな財産になる。先走った話にはなるが、昨年の8月末に9歳で早世した父ドゥラメンテ(その父キングカメハメハ)の後継種牡馬としての将来は明るいものとなるだろう。
そしてレース後、「次は凱旋門賞(仏G1、ロンシャン・芝2400m)へ直行。(騎手は横山)和生でいきます」と、栗田徹調教師が発表。今年の日本ダービーを制したドウデュース(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)とともに向かう秋のフランス遠征がますます楽しみになった。