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超ハイペースを追い掛けたタイトルホルダーが力の違いで押し切る。その背景にあったものは?【宝塚記念】

三好達彦

2022.06.29

 “修正力”に定評がある堀調教師のもと、6歳でも進化するところを見せて、最速の上がり時計を叩き出したヒシイグアスは、今後も注目を怠れない存在になった。

 長い休養から復帰して2戦目で”らしさ”が戻ってきたデアリングタクトは、患部に連戦の反動が出なければ秋シーズンに期待を抱かせる好走を見せた。
 
 また、向正面すぎから仕掛けられるズブさを出しながらも、デアリングタクトとハナ差の4着に残したディープボンドのしぶとさも、彼が現在持ち得た力を出し切ったと言っていいだろう。

 さて、どうしても俎上に乗せざるを得ないのが6着に敗れたエフフォーリアだ。

 1週前追いはいま一つだった動きも、ブリンカーを付けて臨んだ最終追い切りでは素軽さが戻り、復調気配は十分に見えていた。

 しかしレースでは、横山武史騎手が「ペースが速すぎてついていくのに精一杯」というように行きっぷりが悪く、直線で最低限の伸びは見せたものの、勝ち馬とは0秒9差の6着まで押し上げるのがやっとだった。

 プレビュー記事で述べたように、エフフォーリアにとって前走の大阪杯が初の関西遠征で、2回目となる今回は「同じ轍は踏むまいと」と読みを入れた。しかし今回の凡走を見る限り、能力で敗れたというよりも、長距離輸送などの個体の外的要因、もしくはメンタルな要因による敗戦だという感覚が強くなるばかりだ。

 復活はそう簡単なことではないだろうが、3歳にして天皇賞、有馬記念を連勝するという傑出した力を見せたエフフォーリアのこと。あの力感あふれる走りをもう一度取り戻してほしいと願うばかりである。<了>

取材・文●三好達彦
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