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バレーボール

「唖然としている」コロナ対策の不備でドイツ選手がFIVBに抗議。7月3日から大阪大会がスタート【ネーションズリーグ】

THE DIGEST編集部

2022.06.30

コロナの感染者が相次ぐネーションズリーグ。男子1週目、ブラジル大会の様子。(C)Getty Images

コロナの感染者が相次ぐネーションズリーグ。男子1週目、ブラジル大会の様子。(C)Getty Images

 世界トップ16カ国が参加して開催中の国際バレーボール連盟(FIVB)主催『ネーションズリーグ』。ワールドクラスの選手たちが見せるハイレベルなプレー、それに引けを取らない女子・男子日本代表の際立ったパフォーマンスが観客を総立ちにさせ、連日盛り上がりを見せている。だが、新型コロナウィルスの余波を一掃するにはまだ時間が必要なようだ。

 日本代表は第2週目まで8試合を終えて、女子は東京五輪金メダリストの米国と同4位の韓国やアジアのライバル中国らを撃破する快進撃で負けなしの首位。男子も同五輪銅メダリストのアルゼンチン、2021年欧州選手権の優勝国イタリアと同2年連続準優勝のスロベニアを倒すなど見事な戦いを続け、6勝2敗で4位につけている。この成果は、パリ五輪の出場資格を獲得するため重要な世界ランクにも直結。女子は5位、男子が7位へとジャンプアップを果たしている。

 新型コロナウィルス蔓延への懸念が依然として大きかった昨年、FIVBはバブル方式による単一会場(イタリア・リミニ)で観客を入れずに全日程を開催。今年は異なる開催地を週ごとに転戦(男女交互に各週2都市で同時開催)しながら各チームが全12試合をこなす従来のスケジュールが復活した。男子日本代表が参戦したフィリピンラウンドの会場は、連日の超満員。観客動員1万人を記録する大盛況とそれを支える各国代表の熱い戦いに水を差したのは、またしても新型コロナウィルスだった。

 同ラウンドに参加するためフィリピン入りした男子中国代表は、入国直後に21名が感染。報告を受けたFIVBは、4日後に予定されていたフランスとの初戦を中止(フランスが不戦勝)すると発表した。
 
 ところが、その翌日に中国との試合が予定されていたドイツ代表が、選手とスタッフの健康と安全が確保されていないとして、対戦を拒否する事態が発生した。独バレーボール協会は決断の経緯について声明を発表。

「FIVBに対して、5日間の隔離後に再びPCR検査を実施し陰性を確認したうえで試合を開催、それが難しい場合は延期とするよう、メールなどで複数回の要請を行なったが、受け入れられなかった」と説明した。

 試合開始の直前になっても、出場予定だった罹患した選手全員の陰性を確認できず、自国代表が危険に晒されるリスクがあったと主張。新型コロナウィルス蔓延防止対策における不備を指摘して主催者であるFIVBに抗議した。主将クリスティアン・フロムも、母国メディアに「FIVBの対応には怒りを感じ、唖然としている」と不満をあらわにした。

 また、同声明には、「この決断に関して中国代表に責任はなく、同代表とバレーボールファンの皆さんには申し訳ない思いでいる」と綴られ、当日すでにウォームアップを開始していた対戦相手と試合を楽しみにしていたファンへ謝罪した。
 
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