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角田裕毅とガスリーの対決に専門メディアは厳しい展望。レッドブル顧問からは“苦言”も「彼の怒りは度を過ぎるようになった」

THE DIGEST編集部

2022.08.19

強気な性格の持ち主である角田。そのスタンスで彼は結果を残してきたのだが、チーム関係者からは苦言も呈されている。(C)Getty Images

 アルファタウリの角田裕毅は今季13レースを終えた段階で、入賞3回、合計獲得ポイントは11、ドライバーズランキング16位という結果となっている。

 幾つかの週末において、予選での速さ、決勝では落ち着いたレース運びと安定したドライビングを披露した角田。昨季に比べての成長ぶりを評価された一方で、車の性能の低さや不安定さに苦しみ、自らのドライビングミスや判断の誤りで手中にしかけていたポイントを逃すなど、良い点と悪い点の両方を余すところなく発揮したという印象だ。

 そんななかで、チームメイトであるピエール・ガスリーとの力関係については、圧倒的な差をつけられた昨季とは異なり、かなりの接戦を演じていると言えよう。前半戦を終えた段階での、各セッションや項目における両者の勝敗は以下の通りである。

決勝勝利数:角田5-8(2-5)ガスリー
予選勝利数:角田5-8(5-7)ガスリー
ラップごとの勝利数:角田221-393ガスリー
獲得ポイント数:角田11-16ガスリー
決勝最高位:角田7-5ガスリー
予選最高位:角田8-6ガスリー
リタイア数:角田3-3ガスリー
※括弧内の数値は両者完走レースのみ対象
 
 これについて、英国のF1専門サイト『RACEFANS』は、「あらゆる項目において、ツノダはガスリーへの"赤字"を減らして、より良い結果を出している」と日本人選手の健闘ぶりを称えるも、これは単純に彼がガスリーとの力の差を詰めてきたわけではなく「目に見える以外の理由があるのかもしれない」とも指摘している。

 同メディアは、今季のアルファタウリの車「AT03」について「残念ながら、昨季のものと比べて大幅に競争力が低下しており、フランス・グランプリで導入したアップデートも、彼らが望んだような飛躍をもたらしていない」と厳しく評し、これはどちらのドライバーに対しても有利な状況をもたらしていないと記した。

 しかし、より不運に見舞われているのがガスリーだとして、シルバーストーンで角田に接触されてスピンを喫した場面や、モナコGPで角田の赤旗に端を発してよもやの時間切れにより予選Q1敗退を喫した例を挙げ、彼がモナコやハンガリーなどでは、悪いポジションから印象的な回復を見せた場面にも言及している。

 そのうえで同メディアは、「ガスリーは今季後半戦に運命が変わるとしたら、ツノダがこのフランス人に追いつくのは厳しくなるかもしれない」と予想。車の性能が上がり、前半戦のような不運を避けられた場合、やはり昨季同様にガスリーにとって状況は有利になると見ている。
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