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ゴルフ

松山英樹を“救った”スペイン人ゴルファーの振る舞いに止まぬ賛辞「彼が何も言わなければ、マツヤマはペナルティーを科された」

THE DIGEST編集部

2022.08.20

逆転優勝圏内に残った松山(手前)。彼が陥ったピンチを救ったのはラーム(後ろ)だった。(C)Getty Images

逆転優勝圏内に残った松山(手前)。彼が陥ったピンチを救ったのはラーム(後ろ)だった。(C)Getty Images

 現地時間8月19日に米デラウェア州のウィルミントンCC(7534ヤード、パー71)で行なわれた男子ゴルフのプレーオフ第2戦・BMW選手権。34位で出た松山英樹(LEXUS)は5バーディー、1ボギーの67で回り、通算5アンダーの11位に浮上した。

 この日、30歳の日本人ゴルファーがピンチを迎えたのは、7番パー3だ。第1打をグリーン右前のラフに打ち込んだ松山。このとき、ボールはスタンスを取るのも困難なバンカーの縁にあり、彼はどう抜け出そうかと試行錯誤していた。

 その時、松山が少し離れた位置で素振りをした瞬間に、ボールがバンカーに転がり落ちてしまったのである。瞬間的に目を離していた競技委員はすかさず、「なぜボールが動いているんだ?」と質問。少し慌てた松山が素振りを再現して説明すると、そこに割って入ったのが、同組で回っていたジョン・ラーム(スペイン)だった。

「マツヤマは距離を取っていたよ」

 そう競技委員に説明したラームは、「ボールは止まってた?」と聞かれると、「これは彼の責任というよりも、何が起きてもおかしくない状態だった。マツヤマは動かしていない。そもそも芝の上に浮いていたようだった」と強調。それによってペナルティーを科されずに済んだ松山は危なげなくパーセーブを成功させた。
 
 同伴競技者のプレーを見るのはゴルフにおける基本的なマナーでもある。しかし、それをここまで堂々とやれるラームは、流石と言うほかない。無論、27歳のスペイン人選手が見せた紳士的な振る舞いには、賛辞の声が相次いだ。

 米放送局『NBC Sports』のゴルフ専門チャンネル「Golf Channel」は、「ラームはペナルティーを科されそうになったライバルを弁護してピンチから救った」と絶賛。さらに米メディア『Golf Magazine』のニック・ピアストウスキー記者は「ラームが何も言わなければ、マツヤマはおそらくペナルティーを強いられていただろう」と分析。そのうえで、「彼(ラーム)の行ないは正しく、観衆からは歓声も上がった」と称えた。

 結局、この日は11位でフィニッシュした松山。単独首位のアダム・スコット(オーストラリア)に3打差と逆転V圏内だけに、ラームが送った助け舟に文字通り救われた形となった。

構成●THE DIGEST編集部

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