衝撃的なアップセットだ。

　現地時間８月20日に米国ユタ州ソルトレイクシティのビビント・アリーナで行なわれた「UFC278」で、ウェルター級ランキング2位のレオン・エドワーズ（英国）が、同級王者のカマル・ウスマン（ナイジェリア）に５回KO勝ちを収めた。
【動画】会場には悲鳴もこだましたKO劇！ ウスマンが屈したエドワーズの左ハイをチェック

　約６年8か月ぶりの再戦となった両雄は一進一退の攻防戦を繰り広げた。そのなかで決着がついたのは、ウスマンが流れを掴みかけていた最終５回だった。

　右ストレートを出しに行ったウスマンに対して、エドワーズが左ストレートを出しながら左ハイキックを炸裂。これが頭部にクリーンヒットした王者は、力なく膝から崩れ落ち、しばらく立てず。前回対戦で敗れていた30歳の英国人戦士にとっては、快心にリベンジとなった。

　ウスマンの敗北に驚きの声が広がっている。現パウンドフォーパウンド1位で、2015年のUFCデビュー以来、15連勝中だった“絶対王者”が敗れたのだから無理もない。英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』が「ウスマンが防衛を成功すると誰もが思っていた」と記せば、米紙『USA Today』は「エドワーズが世界に衝撃を与え、一見すると想像を絶するようなことをやってのけた」と伝えた。
  　頭部に対する攻撃であったため、試合後に病院へ直行したウスマン。そんな王者のショッキング敗北、さらにエドワーズの番狂わせに、UFCの“御大”は喜びをあらわにした。試合後の会見で、ダナ・ホワイト社長は、次のように見解を語っている。

「何が起きてもおかしくない。このスポーツではなんでも可能なんだ。なんでもね。ウスマンはファンには好かれないかもしれないが、完璧な闘いをしていた。最後の１分間まではこれ以上ないパフォーマンスを見せていたよ。ただ、レオンは十分な可能性を秘めた危険な相手だったし、みんなが十分な評価をしていないだけだった」

　文字通りの金星を挙げたエドワーズ。試合後に「俺はここまで自分を鍛えて、やることをやってきた。人生を賭けてここまでやってきたんだ」と感慨深げに語った男の目には、光るものがあった。

構成●THE DIGEST編集部

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