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ゴルフ

全米女子アマを制した馬場咲希とは何者か? 時の人になった17歳を強くした“ジュニア黄金世代”がゆえの相乗効果

THE DIGEST編集部

2022.08.22

各国の猛者たちとの争いを制した馬場。長い手足を使ってもぶれない身体の強さは魅力だ。(C)Getty Images

各国の猛者たちとの争いを制した馬場。長い手足を使ってもぶれない身体の強さは魅力だ。(C)Getty Images

 85年の服部道子以来、37年ぶりに日本人として『全米女子アマゴルフ選手権』を制した馬場咲希。その偉業を達成した瞬間、17歳の高校2年生は時の人となった。同週に開催された国内女子ツアーの『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』でツアー初優勝を飾った岩井千怜も、「私の優勝が薄れちゃったなという感じです」と思わず本音を漏らしたほどだ。

 モネ・チャンとの決勝戦では11&7という圧勝劇を演じながら、「レベルは高いと思っていましたが、優勝は目指していました。でも、本当に優勝してビックリしています」と初々しい姿を見せていた馬場。『マスターズ』を制した松山英樹や『AIG全英女子オープン』を制した渋野日向子、そして『全米女子オープン』を制した笹生優花がもたらした衝撃には及ばないものの、快挙としては勝るとも劣らない。

 では、馬場は一体どのような選手なのだろうか。

 東京都に生まれ、ゴルフを始めたのが5歳。その後は『東京都ジュニア選手権』、『関東ジュニアゴルフ選手権』、『東京都女子アマ』、『関東女子ゴルフ選手権』などのタイトルを獲得。才能は若くしてめきめきとつけていった。
 
 中1からTPI LEVEL2の資格を持つ坂詰和久コーチの門を叩き、自分の身体に合ったスイングを身につける努力を重ねた。同コーチは佐伯三貴や福嶋晃子らを指導した経歴を持ち、片山晋呉の帯同キャディとして世界の舞台で戦った経験もあるだけに、馬場にとっては良き相談相手にもなっている。

 身長は175センチを超える馬場は、その驚異的な手足の長さもあり、一見すると線が細い印象は否めない。しかし、体幹はかなり強い。『全米女子アマ』は、決勝戦が36ホールの長丁場だったが、後半のラウンドに入ってもスイング中に前傾姿勢が崩れなかった。

 通常の試合よりも決勝戦までの道のりは長い。2日間のストロークプレーで上位64人に入り、そこから5回のマッチプレーを戦い抜いての決勝戦。いくら馬場が史上第2位となる106ホールという少ないホール数で優勝したとはいえ、身体に疲労が蓄積していても不思議ではない。しかも、270ヤードを超えるドライバーの飛距離を叩き出すスイングスピードがあるにもかかわらずだ。

 実際、身体の強さは4月に開催された『全米女子オープン』の日本予選会でも証明されている。36ホールのストロークプレーだったが、ツアープロと同じ土俵ながらも5アンダーをマークして、見事に上位6人に入り、本戦出場の切符を手にしている。さらに、難コースであるパインニードルズ・ロッジ&GCで開催された本戦でも予選をしっかりと通過し、48位タイでフィニッシュした。
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