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バレーボール

至高の舞台で輝く“日本の主砲”石川祐希を元伊代表の名手はどう見る?「まさに理想的でお手本となる選手」【独占】

佳子S.バディアーリ

2022.09.17

石川(左)のプレーに一目置くソルジ氏。今回電話インタビューに答えてくれた。(C)Getty Images/佳子S.バディアーリ

石川(左)のプレーに一目置くソルジ氏。今回電話インタビューに答えてくれた。(C)Getty Images/佳子S.バディアーリ

 バレーボール男子日本代表を主将として躍進へ導き続ける石川祐希。間もなく開幕を迎えるセリエAでの活躍に世界選手権2連覇を経験した元イタリア代表のエースも期待を寄せている。

 昨夏に行なわれた東京五輪で29年ぶりの8強入りを果たした日本代表は今年、ネーションズリーグ(VNL)と世界選手権で決勝トーナメントへ進出。世界ランク7位へ浮上した。上位国を脅かすまでに成長したチームの柱と言えば、やはり主将の石川だろう。

 現在8シーズン目を迎えるイタリア・セリエAでの“イシカワ”をよく知る人物が、この度、電話取材に応じてくれた。

 今回、インタビューで石川について率直な想いを語ってくれたのは、かつて「怪物軍団」と呼ばれた90年代のイタリア代表メンバーの1人で、現在は同国のバレーボール協会広報を務めながら、衛星放送『Sky Sports』で実況解説を担当するアンドレア・ゾルジ氏だ。

 現役時代はスーパーオポジットとして、フェルナンド・デ・ジョルジ氏(同代表現監督)、アンドレア・ジャーニ氏(フランス代表現監督)や国営放送の実況解説者アンドレア・ルッケッタ氏らと世界選手権連覇(1990、1994)を達成したほか、代表戦で決勝進出21回、優勝15回を誇る名選手だ。

 まず、「石川について語るなら、日本について触れないわけにはいかない」と、ゾルジ氏は話し始めた。

「とにかく見事だった。五輪で金メダルに輝いた70年代前後から日本代表を見てきたなかで今のチームは最も強い。世界選手権で8強入りを逃したのは残念だったが、驚異的なバレーボールを展開していた。フィリップ・ブラン監督の手腕が素晴らしいチームを作り出した。

 選手間で技術レベルに差はあるが、そのなかで突出した上手さが光るプレーヤーであり、すべての要素を備えたイシカワは僕のお気に入り。大好きな選手だ。ニシダは身長の低さを打ち消す計り知れない可能性とずば抜けた才能を持つ。さらにトップレベルと呼べるタカハシがいる」
 
「攻撃を最大限に機能させチームの中心であるイシカワを支えたセキタは、明らかに躍進の功労者だった」

「他の国々と比べ高さでは劣るが、バランスが良く飛び抜けて優れたバレーボールに引き込まれた。日本の良さが凝縮されたチーム。数年前との違いは、フィジカル面と戦術面で理にかなった改善があったこと。強豪勢と張り合えるようになり、表彰台に限りなく近い存在になっている」

 さすが、『Sky Sports』でバレーボール中継の解説を担っているとあって、日本についても深く分析しているように見える。
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