マラソン・駅伝

大東大トップ通過に真名子監督も「正直びっくり」!4年ぶり名門復活の“舞台裏”に迫る【箱根駅伝予選会】

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2022.10.16

落ち着いて集団走をする選手たち。左から大野陽人、入濵輝大、ピーター・ワンジル、久保田徹。写真:滝川敏之

「第1位、大東文化大学。記録10時間40分39秒」

 静まり返った昭和記念公園内(立川市)に関東学生陸上競技連盟幹事長の高橋花奈さんの声がこだました。

 4年ぶり箱根路への復活は、監督の想像をも超えるトップで通過だった。選手たちは喜びを表現する前に一礼し、「ありがとうございました!」と感謝の想いを伝えた。そして弾ける笑顔を浮かべ、 人差し指で"1"を表現しながら、歓喜の輪をつくった。

 そんな同大学を率いる真名子圭監督は、今年3月に就任したばかりだ。強豪・仙台育英高校で指導していた同監督は、全国高校駅伝で優勝にも導いた実績を持っていた。そして低迷する母校の再建を任され、早くも手腕を見せつけた。

 昨年10位とは2分27秒差の12位で本戦への切符を逃したチーム。1位通過後、囲み取材で、就任当時を振り返り「練習や寮の使い方を見た時に厳しいなと。高校生以下のジョグだし、練習の準備や気持ちの持ち方など、やはり本戦出られないチームだなと感じた」と本音を明かす。
 
 生活態度や考え方などあらゆる点を注意したという真名子監督だが、練習では「ジョグに対する考え方」から変えたと言う。これまで学生にとってのジョグは、「疲労抜きの練習」だったが、「大事な練習のための準備」と位置づけ"質"を求めた。その甲斐があり、徐々に練習のレベルも高めていけたのだ。

 今回の予選会は、「3位以内を目指していた」という44歳の指揮官は、「1位通過に関しては、正直びっくりしています」と驚きを口にした。3つのグループで集団走を行なった同チームだが、「どのグループも予定通りにペース刻んでいた」とジョグで培った基礎力を活かし、着実に走ったのだ。

 まずは来月6日に開催される『全日本大学駅伝』に出場する大東大。「シードを狙っていきたい」と目標を定めた同監督は、「色気づかずに地味にもう一度やっていきたい」と気を引き締め直した。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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