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【菊花賞】春クラシック上位馬不在の”特異な”三冠最終戦。「激推し」はディープ産駒のジャスティンパレスだ!

三好達彦

2022.10.22

前哨戦のGⅡ神戸新聞杯を完勝したジャスティンパレス。父ディープインパクトとの親子制覇なるかに注目だ。写真:産経新聞社

前哨戦のGⅡ神戸新聞杯を完勝したジャスティンパレス。父ディープインパクトとの親子制覇なるかに注目だ。写真:産経新聞社

 牡馬クラシック三冠の最終戦、菊花賞(GⅠ、阪神・芝3000m)が23日に行なわれる。

 今年は非常に”特異な”異例ずくめのクラシック最終戦となった。まず京都競馬場の改修工事によって、昨年に続いて舞台が阪神競馬場に移されていることが一つ。そして、牡馬クラシックで上位に入った馬の多くが出走しないことも大きな特徴である。

 日本ダービー(GⅠ、東京・芝2400m)の上位入賞馬から見ていくと、優勝のドウデュース(栗東・友道康夫厩舎)は、ご存知のようにフランスの凱旋門賞(GⅠ、ロンシャン・芝2400m)に参戦したため回避。同馬の結果は19着だった。2着のイクイノックス(美浦・木村哲也厩舎)、4着のダノンベルーガ(美浦・堀宣行厩舎)は、いずれも距離適性を鑑みて菊花賞を避け、30日の天皇賞・秋(GⅠ、東京・芝2000m)への参戦を予定している。加えて、皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)を制したジオグリフ(美浦・木村哲也厩舎)も同様に天皇賞・秋へと向かう模様だ。
 
 もう一つは、GⅠの舞台には欠かせない存在と言っていい二人の外国人JRAジョッキー、クリストフ・ルメール(フランス)、ミルコ・デムーロ(イタリア)の両騎手が揃って不在なことである。

 これだけの”異例”が揃えば、否が応でも”混戦ムード”が漂おうというものだ。こうした特異な状況で迎える菊花賞だが、その中で人気を集めるのが、日本ダービーで3着に食い込んだアスクビクターモア(美浦・田村康仁厩舎)と、夏から急上昇したガイアフォース(栗東・杉山晴紀厩舎)の2頭だろう。
 
 アスクビクターモアは弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ、中山・芝2000m)を制し、皐月賞が5着、日本ダービーが3着と、実績的に見て”格上”の存在。ステップに選んだセントライト記念(GⅡ、中山・芝2200m)でもアタマ差2着と、始動戦にしては上々の滑り出しを見せた。

 ただし、レース内容を詳細に見ていくと気になる点が多い。弥生賞でドウデュース(2着)に競り勝っているものの、同タイムのクビ差でぎりぎり粘り込んだもので、日本ダービーではきっちり仕上げてきたドウデュースにリベンジを許し、0秒3差という決定的な差を付けられている。こう見ると、皐月賞と日本ダービーでともに2着したイクイノックスの不在も含め、アスクビクターモアの人気が”押し出されてのもの”という見方も否定できまい。

 もう1頭のガイアフォースだが、これまでの戦績が5戦3勝2着2回と、連対を外したことがないのは立派なものだ。2勝馬の立場で重賞初挑戦となった前走、セントライト記念では粘り込みを図るアスクビクターモアを豪快な末脚で僅かにアタマ差差し切って、念願の重賞初制覇。父は春の天皇賞連覇(16、17年)や有馬記念(17年)など、長距離を得意としたキタサンブラックという血統も手伝って、一気に人気を集めることになった。

 ただしセントライト記念の出走メンバーを見ると、アスクビクターモアを除けば、重賞級の出走馬は5着のラーグルフ(美浦・宗像義忠)と7着だったオニャンコポン(美浦・小島茂之厩舎)ぐらいだった。レースのレベルに疑問符が付くのも確か。あえていえば、ガイアフォースの人気は過剰気味だと思える。

 以上の理由で、上位人気が予想されるアスクビクターモア、ガイアフォースの主力視は避け、”対抗”レベルに抑えたい。
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