新たなステージへ挑む覚悟が伝えられている。

　11月１日、さいたまスーパーアリーナで前WBO世界フライ級王者中谷潤人（MT）が、元統一世界ミニマム級王者で現WBO世界スーパーフライ級３位のフランシスコ・ロドリゲス（メキシコ）と対戦する。

　中谷は2020年11月にWBOフライ級王座戴冠、これまで２度の防衛を果たしてきており、今月27日に同王座を返上。スーパーフライ級1位にランクされることとなった。
  　同日に行われる日本人同士による王座統一戦の前座として組まれているカードだが、24歳の新階級デビュー戦も大きな注目を集めている。

　米ボクシング誌『The Rinｇ』では公式サイト上にて中谷の特集記事を配信、本人の意気込みやトレーナーのルディ・エルナンデス氏の見解も掲載している。

　同メディアは今回の試合について「ジュント・ナカタニは112ポンド（フライ級）でNo.1と評価されてきており、115ポンド（スーパーフライ級）のトップ選手たちに警告を発したいと考えている」と展望。スーパーフライ級における中谷の立場にも言及している。

　さらに「日本の新星は勝利だけでなく、もっと重要なことを見据えている」として、中谷本人による「ジュニアバンタム級（スーパーフライ級）でメジャーになるには、圧倒的な強さと魅力が必要です。KO勝利のために積極的に行動していきます」というコメントも紹介している。

　また、名トレーナーとして知られるルディ・エルナンデス氏はこの戦いについて「フランシスコ・ロドリゲスJr.は強い意志を持っている。右から左へスイッチして戦う経験もある。彼はボクシングの技術に長けていて、勝ちたいという気持ちがある」と対戦相手を評した。

　その一方で「ジュントがノックアウトで勝つだろう。彼にとって大きなインパクトを残すことは重要であり、彼は日本の次のボクシングスターになる能力を持っている」として、愛弟子のパフォーマンスに太鼓判を押した。

　記事では、ロドリゲスが昨年９月にWBO王者・井岡一翔との対戦で好ファイトを繰り広げたことで、中谷にとっては「バロメーター」となる試合だとも指摘。中谷自身も「ロドリゲスは何年も世界クラスで戦ってきて、実績も大いにある。そういう意味でも、僕にとって刺激的な相手であることは間違いない」と相手へのリスペクトの言葉を並べている。

　ここまで、23戦全勝という戦績を残してきている中谷。新たなステージでもそのほとばしるような強さに、より磨きをかけることとなるだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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