専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

【天皇賞(秋)】イクイノックスが驚異的なポテンシャルを発揮! 敗れるも名勝負を演出したパンサラッサ陣営に最大限の称賛を

THE DIGEST編集部

2022.11.01

天皇賞・秋は、イクイノックスがゴール前でパンサラッサをかわして優勝を飾った。写真:産経新聞社

天皇賞・秋は、イクイノックスがゴール前でパンサラッサをかわして優勝を飾った。写真:産経新聞社

 秋の中距離チャンピオン決定戦となる天皇賞(秋)(GⅠ、東京・芝2000m)が10月30日(日)に行われ、逃げ込みをはかった単勝7番人気のパンサラッサ(牡5歳/栗東・矢作芳人厩舎)を中団から爆発的な末脚で追い込んだ1番人気のイクイノックス(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)が豪快に差し切って優勝。1987年に参戦が可能になった1987以降、3歳馬の優勝はバブルガムフェロー(1996年)、シンボリクリスエス(2002年)に次ぐもので、キャリア5戦目での天皇賞制覇は史上最少出走数記録となった。

 競馬の面白さ、楽しさを存分に味わわせてくれるレースだった。
 キーポイントは、追い切り後の共同会見で「いつもどおりのイメージ(逃げ)でレースを進めますか」という質問が投げられた際、パンサラッサを管理する矢作芳人調教師が迷いなく打ち返したコメントに隠されていた。
「もちろんです。ファンの方もそれを望んでいるでしょうから、そういう競馬に徹したいと思っています」

【動画】驚異のまくりでイクイノックスが天皇賞・秋を制す!
 事実上の「逃げ宣言」、それも”脚を溜めて”の逃げではなく、福島記念(GⅢ、福島・芝2000m)や中山記念(GⅡ、中山・芝1800m)を制覇したとき見せたような”大逃げ”のプランをプンプンと匂わせるセリフだった。

 ゲートが開くと、ロケットスタートを切ったバビット(牡3歳/栗東・浜田多実雄厩舎)が先頭を窺おうとするが、そうはさせぬとばかりにパンサラッサが手綱をしごかれながら“定位置”の先頭を奪った。

 2番人気のシャフリヤール(牡3歳/栗東・藤原英昭厩舎)と、3番人気のジャックドール(牡3歳/栗東・藤岡健一厩舎)は2番手集団に位置を取り、イクイノックスとダノンベルーガ(牡3歳/美浦・堀宣行厩舎)は馬群の後ろ目を追走する。

 先頭を奪い切ったパンサラッサは、水を得た魚とでも言うべきか。ハイペースで快調に飛ばし、さらには向正面の半ばあたりから後続との差をどんどん広げ、一時は十数馬身ほどの差を付けた。

 1000mの通過ラップはなんと57秒4という超の字が付くほどのハイペース。どんどんと後続と差が広がる様子をターフビジョンで目にし、また1000mのラップタイムを実況放送で耳にした観客が大きくどよめく。

 最終コーナーを回り、直線へ向いてもパンサラッサと後続の差はまだ大きく保たれていた。後続も懸命に追撃態勢に入るが、なかなか差は詰まってこない。

 後続とはまだ10馬身ほどの差があり、観衆の目にはパンサラッサの逃げ切りが濃厚だとうつったそのとき、馬群の外からイクイノックスとジャックドールが馬体を併せながら伸びてきた。

 逃げ切るのか、届くのか――。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号