偉才が迎える大一番への期待が高まっている。12月13日に東京・有明アリーナで行なわれるWBOバンタム級王者ポール・バトラー（英国）との４団体統一戦に挑む、WBAスーパー、WBC、IBF世界同級王者の井上尚弥（大橋）だ。

　文字通り敵なしの強さを誇る“モンスター”だけに、下馬評は圧倒的優位という見方が強い。当人は「油断せずに最後まで」と気を引き締めるが、米ブックメーカー『bet365』ではバトラーが「＋1400」なのに対し、井上は「－1600」と“大差”がついている。

　無論、海外の識者たちやメディアも多くが井上の“完全統一”に太鼓判を押している。米ボクシング専門サイト『Bad Left Hook』のウィル・エスコ記者は「イノウエには、このバトラー戦で圧倒的な強さを見せてくれることを期待している。それ以上のものはない」と断言。「イノウエの方が技術的に優れていて、スピードもあって、打撃も強い。もはやどこまでバトラーが耐えられるかだ」と５ラウンド以内のTKO勝ちを予想した。
  　また、同メディアのジョン・ハンセン記者は「バトラーはイノウエに挑むために、わざわざモンスターの巣窟まで足を踏み入れた。他に彼ほどの勇気のある戦士がいないのは残念でならない」と敵地に乗り込んできた34歳の英国戦士を称賛。だが、試合結果について「イノウエ、６回KO勝ち」と予想して持論を展開した。

「イノウエのようにあらゆる面が完璧に構築されたファイターは他にいない。彼はこの地球上で１番と呼べる強さを誇るボクサーだ。たしかにバトラーは勇敢だが、イノウエは他の世界チャンピオンとも一線を画すほど驚異的なのである」

　バンタム級の完全制覇に向けた機運は高まっている。それだけに井上がバトラーをどのように倒すのかは実に興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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