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「どう勝つか」に熱視線! 井上尚弥、バトラー母国放送局でパッキャオと比較された段違いの“IQ”「ただただ感心するばかり」

THE DIGEST編集部

2022.12.13

バトラーとの決戦を迎える井上。勝利に対する期待値は各国で高まっている。(C)Getty Images

「勝つかどうか」ではなく「どのように勝つか」に、注目が集まっている。12月13日に東京・有明アリーナで、ボクシングのWBOバンタム級王者ポール・バトラー(英国)との4団体統一戦に臨むWBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)だ。

 23戦無敗(20KO)とプロキャリアをスタートさせてから敵なしの強さを誇示してきた井上は、ようやく悲願であったバンタム級の「完全制覇」が懸かった大一番を迎える。もっとも下馬評では、日本が世界に誇る"モンスター"の圧倒的優位の見方が強く、「俺は何も恐れない」と意気込むバトラーの勝利を予想するメディアは、彼の母国であってもほぼないと言っていい。

 ゆえに勝利後の強者としてのさらなる歩みに熱視線が注がれている。英衛星放送『Sky Sports』の取材に応じた米プロモート会社『Top Rank』のトッド・デュボーフ氏は「次の試合はイノウエが有利になるとは思う。私は彼を見ていると言葉を失ってしまうんだ」とし、ボクシング界が誇る英雄との比較を展開した。

「私は1993年からこの業界にいるが、イノウエのスピード、パワー、ボクシングIQの高さを見ると、ただただ感心するばかりだよ。本当に感動させられる。彼は間違いなくアジアで生まれた誰よりもエキサイティングなファイターで、マニー・パッキャオ以来の最もエキサイティングな存在だ」
 
 パッキャオとは、過去に世界5階級を制覇したフィリピンの偉人だ。同じアジアに生まれたレジェンドと井上の比較はさまざまな形で行なわれてきた。そのなかで米プロモート会社『MPプロモーションズ』を取り仕切るショーン・ギボンズ社長は、29歳の日本人ファイターへの課題を投げている。

「ハッキリ言ってしまえば、パッキャオのような選手は二度と現れないだろうと思う。イノウエには今以上にスターになる素質は十分にあるが、今よりも質の高い相手、誰もが認めるような相手が必要だ」

 いよいよ訪れるバトラー戦を制すれば、当人が「すごく理想」と語るスーパーバンタムへの階級上げが予想される井上。同階級にはスティーブン・フルトン(米国)やムラドジャン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)といった猛者がひしめているだけに、ギボンズ氏の言う"次代のパッキャオになるための課題"をクリアにさせられるかもしれない。

 いずれにしても、井上が「非常にいい選手」と語るバトラーとの一戦で"予想通り"の結果を残せるか。世界戦においては容易ではないが、それこそが"モンスター"の声価を今よりも絶対的なものに変えていくカギになりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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