ラグビーのリーグワンは、昨年12月に開幕した今シーズンから新たな機会を作っている。
「アーリーエントリー制度」を導入したのだ。
旧トップリーグ時代を含め、これまでの国内リーグで大卒ルーキーが上位カテゴリーの試合に出られるのは最終学年を終えた後の4月1日以降だった。
ところが今季からは、所定の手続きを踏んだ学生が、年度の改まる前の大学選手権決勝後からデビューを狙えるわけだ。その決勝は去る1月8日に行なわれ、帝京大の優勝に終わっている。
もちろん新人が試合に出るには、既存の在籍選手との競争に勝たなくてはならない。当然ながら大学シーンとリーグワンとでは、フィジカリティの質が異なる。練習や試合でぶつかる外国出身者の数が多く、故障のリスクも高まる。
かような舞台へ、たとえば直近の選手権で頂点を争っていた学生がほぼ無休で挑むことには慎重な意見もある。実際にアーリーエントリーの登録を発表していても、チーム方針から本格的な合流をしていない選手も多い。
有力選手の加入が期待される東京サントリーサンゴリアスの田中澄憲監督も、このように言う。
「(戦う)準備ができたらエントリーします。ただ、怪我(の危険性)もある。できるかどうかを見極めてからです。リフレッシュができているかどうか。旅行など、学生らしい最後を過ごしたほうがいいとも思っています。うちは『(学生に)早く来い』ということは言っていないです」
現況を踏まえれば、少なくともレギュラー組が盤石である、もしくは将来を見据えての起用を検討しない傾向のあるチームでは、アーリーエントリーでのデビューができる新卒生は生まれにくそうだ。
それでも早期の躍動が期待されるのは、以下の5名か(登録を発表していない、もしくは登録前の選手も含む)。持っている才能と所属先のニーズが符合する日は、いつやってくるだろうか。
――◆――◆――
■家村健太
(京都産業大→静岡ブルーレヴズ)
スタンドオフ、インサイドセンター/176センチ・93キロ
大学選手権で2シーズン連続4強入りの京都産業大で、ゲーム運びを担ってきた。立ち位置を自在に変え、相手の急所にキック、パスを通す。味方を前進させる。
「常に早くスペースにボールを運ぼうとしてきて、それが形になってきています」
一般的に、スタンドオフの選手は防御の際に相手の突進役の標的となりがちだ。家村には、その正面衝突へも耐性がある。
遡って2年時、コロナ禍に伴う長期の活動停止期間に筋力トレーニングに注力。体重自体の増加は「2~3キロ」ほどだが、筋量は大きく増やした。地道な積み重ねが、いまのパフォーマンスを支える。
ブルーレヴズでは、昨季、正司令塔に定着したサム・グリーンとの競争、もしくは協働が期待される。
「アーリーエントリー制度」を導入したのだ。
旧トップリーグ時代を含め、これまでの国内リーグで大卒ルーキーが上位カテゴリーの試合に出られるのは最終学年を終えた後の4月1日以降だった。
ところが今季からは、所定の手続きを踏んだ学生が、年度の改まる前の大学選手権決勝後からデビューを狙えるわけだ。その決勝は去る1月8日に行なわれ、帝京大の優勝に終わっている。
もちろん新人が試合に出るには、既存の在籍選手との競争に勝たなくてはならない。当然ながら大学シーンとリーグワンとでは、フィジカリティの質が異なる。練習や試合でぶつかる外国出身者の数が多く、故障のリスクも高まる。
かような舞台へ、たとえば直近の選手権で頂点を争っていた学生がほぼ無休で挑むことには慎重な意見もある。実際にアーリーエントリーの登録を発表していても、チーム方針から本格的な合流をしていない選手も多い。
有力選手の加入が期待される東京サントリーサンゴリアスの田中澄憲監督も、このように言う。
「(戦う)準備ができたらエントリーします。ただ、怪我(の危険性)もある。できるかどうかを見極めてからです。リフレッシュができているかどうか。旅行など、学生らしい最後を過ごしたほうがいいとも思っています。うちは『(学生に)早く来い』ということは言っていないです」
現況を踏まえれば、少なくともレギュラー組が盤石である、もしくは将来を見据えての起用を検討しない傾向のあるチームでは、アーリーエントリーでのデビューができる新卒生は生まれにくそうだ。
それでも早期の躍動が期待されるのは、以下の5名か(登録を発表していない、もしくは登録前の選手も含む)。持っている才能と所属先のニーズが符合する日は、いつやってくるだろうか。
――◆――◆――
■家村健太
(京都産業大→静岡ブルーレヴズ)
スタンドオフ、インサイドセンター/176センチ・93キロ
大学選手権で2シーズン連続4強入りの京都産業大で、ゲーム運びを担ってきた。立ち位置を自在に変え、相手の急所にキック、パスを通す。味方を前進させる。
「常に早くスペースにボールを運ぼうとしてきて、それが形になってきています」
一般的に、スタンドオフの選手は防御の際に相手の突進役の標的となりがちだ。家村には、その正面衝突へも耐性がある。
遡って2年時、コロナ禍に伴う長期の活動停止期間に筋力トレーニングに注力。体重自体の増加は「2~3キロ」ほどだが、筋量は大きく増やした。地道な積み重ねが、いまのパフォーマンスを支える。
ブルーレヴズでは、昨季、正司令塔に定着したサム・グリーンとの競争、もしくは協働が期待される。