K-1はヘビー級の世界トーナメントから始まり、"稀代のカリスマ"魔裟斗が一時代を築いた中量級、そして昨年6月に那須川天心とのビッグマッチを成功させた武尊を筆頭とする新生K-1の軽量級と、時代が進むなかで幅を広げてきた。
今では各階級、年代ごとのアマチュア大会も盛んだ。そんなK-1の競技としての拡大において忘れてはいけないのが「K-1甲子園」である。高校生によるトーナメントで才能を見せ、プロで活躍するようになった選手は多い。武尊も出場しており、そこで勝てなかったがゆえに、より本格的に格闘技に打ち込むべく上京を決意した背景がある。
格闘技の裾野を広げたと言っていいK-1甲子園の始まりは、1人の選手がきっかけだった。魔裟斗に「天才少年がいる」と推薦されて登場を果たしたHIROYAだ。
それまでHIROYAはアマチュア、そしてジュニア部門のキック、ムエタイで活躍してきた。魔裟斗に認められてK-1出場を果たすと大きな話題を呼んだ。ユース部門が作られ、10代の選手が脚光を浴びるなかでK-1甲子園も開催。HIROYAは2年目に優勝している。決勝の相手は、のちに王者になる卜部功也。3年目は準決勝敗退で野杁正明に敗れた。やはり、のちのK-1王者となるファイターだ。
日本格闘技界の"天才"たちが鎬を削ったK-1甲子園。ティーンエージャーたちの檜舞台にあってHIROYAに対しては、関係者から「あのレベルの選手はまだまだいますよ」という指摘もあった。実際、簡単には勝てていなかった。
といっても、単に"早熟"だっただけというわけではない。旧体制のK-1が活動しなくなると、Krushのリングへ上がった。さらに新星K-1でも存在感を見せた。
Krushでは65kg級のタイトルを獲得。木村"フィリップ"ミノル戦など手痛い敗北を喫することもあったが、HIROYAはしっかり"大人"のプロファイターとして成長を遂げ、結果を残していった。
また、HIROYAはリング外でも格闘技界に貢献。自身のジムを設立し、強豪選手を育成してもいる。彼のもとで修業を積んだ田丸辰、平岡琴、宮崎小雪と宮崎若菜の姉妹はRISEを代表するファイターだ。
ジュニアから指導者まで、格闘技人生を常に"魅せてきた"きたという面でも特筆すべき。HIROYAはK-1の歴史を語るうえで、欠かせない存在だ。
取材・文●橋本宗洋
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日本格闘技界の"天才"たちが鎬を削ったK-1甲子園。ティーンエージャーたちの檜舞台にあってHIROYAに対しては、関係者から「あのレベルの選手はまだまだいますよ」という指摘もあった。実際、簡単には勝てていなかった。
といっても、単に"早熟"だっただけというわけではない。旧体制のK-1が活動しなくなると、Krushのリングへ上がった。さらに新星K-1でも存在感を見せた。
Krushでは65kg級のタイトルを獲得。木村"フィリップ"ミノル戦など手痛い敗北を喫することもあったが、HIROYAはしっかり"大人"のプロファイターとして成長を遂げ、結果を残していった。
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