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バレーボール

石川祐希がチーム最多20得点も及ばず…ミラノは惜敗で決勝進出ならずも、歴史的快進撃に相手チームや審判、メディアも称賛

佳子S.バディアーリ

2023.04.27

石川がチーム最多の20得点を挙げたが、勝利を引き寄せるには至らなかった。(C) Lega Pallavolo Serie A

石川がチーム最多の20得点を挙げたが、勝利を引き寄せるには至らなかった。(C) Lega Pallavolo Serie A

 現地時間4月25日、バレーボールのイタリアリーグ・セリエAで2022-23シーズンのプレーオフ準決勝第5戦が行われ、男子日本代表の石川祐希が所属するパワーバレー・ミラノがルーベ・チヴィタノーヴァとアウェーで対戦。セットカウント1-3 (25-27、22-25、25-23、25-27)で敗れ決勝進出は叶わず、3位決定戦へ進むこととなった。

【動画】石川祐希が大奮闘も及ばず…プレーオフ第5戦
 3勝先勝(5試合制)でスクデットを争うラストステージへ進むことができるこのシリーズ。ミラノは黒星発進の後、2連勝で王手をかけ臨んだ第4戦で2セットを先取。絶好のスタートを切るも、リーグ4連覇(2019-20は新型コロナウイルス蔓延により途中閉幕)を狙うチヴィタノーヴァに逆転を許し、クラブ史上初となる決勝進出の行方はこの最終5戦目へともつれ込んだ。

 チヴィタノーヴァは、五輪メダリストや世界選手権で優勝を経験したベテランを含む面々と爆発力のある若手アタッカー2人を揃えた布陣。ミラノは、昨シーズンにブロック本数リーグ1位の元イタリア代表MB主将マッテオ・ピアノ、東京五輪金メダルのフランス代表オポジットのジャン・パトリー、昨年のU-22欧州選手権でイタリア代表として優勝と最優秀選手賞を同時に手にした21歳の若き司令塔パオロ・ポッロ、セリエA初シーズンの同五輪銅メダリストのアルゼンチン代表MBアグスティン・ロセルとキューバ代表OHオスニエル・メルガレホ。そして、驚愕のレベルアップでリーグを席巻中の日本代表の主将が絶対的主軸としてチームをけん引する。

 この試合のチケットは、発売開始から数時間で完売。観客3983人が詰めかけ熱気に包まれた会場で決戦の火ぶたが切られた、

 第1セット、序盤にエース2本を決められるなどしてリードを許したミラノは、相手の攻撃ミスも手伝い4ブレークに成功して競り合いへ。ところが、これまでセット先行に貢献してきたパトリーがアタック決定率20%に留まるなど、ラリーをなかなかものにすることができない。2点ビハインドで迎えた終盤、石川が素早い反応の守備からブロックアウトを決めて詰め寄り、安定したレセプションで相手のセットポイントを阻止するも、逆転のチャンスでパトリーのアタックがアウト。そのまま逃げきられてセットを先取された。

 第2セットは序盤から追う展開が続く。石川は精度の高いレセプションでチームを支え、ロングラリーでコンビネーションが乱れるなか、スタンディングから果敢なバックアタックで同点弾。だが、ミラノは流れを引き寄せるはずのサーブが入らずに石川を除く全員が1打目を誤りミスは7本に上る。ミドルとサイドを上手く使い分ける相手の攻撃にも押され、4点ビハインドで終盤に突入。諦めない背番号14は、3枚ブロックを弾き飛ばした直後に、選手交代でレセプション強化を図った敵の戦略をものともせずにエース。さらにロングラリーで好守を連発させてブロックに繋げ、相手のミスを呼び込み1点差に迫る。しかし、秀逸な守備と攻撃で相手のセットポイントを回避した石川の奮闘虚しく、ミラノはセットを連取され窮地に追い込まれた。
 
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