世界屈指のバレーボールリーグ、イタリア・セリエAのシーズン最後を飾るスクデット争奪戦。その舞台で壮絶な10試合を戦い切った男子日本代表のエースであり主将の石川祐希が、欧州トップレベルの大会で躍動するチャンスを掴み取ろうとしている。
石川は、3シーズン目を送る所属先のパワーバレー・ミラノを引き連れて、3年連続でプレーオフへ出場。レギュラーシーズン8位で最後の一枠を手にしての挑戦だった。準々決勝では、自らの活躍でリーグ戦無傷のペルージャから3勝を奪い取るジャイアントキリングを起こし、兼ねてから目標に掲げていた念願の4強入りを達成。クラブにも新たな歴史をもたらした。
その快進撃は止まらず、準決勝ではリーグ3連覇中のチヴィタノーヴァと1勝1敗のタイへ持ち込んだ後、ストレート勝ちで連勝を収め優勝争いの舞台へ王手をかけた。そして、続く本拠地での4戦目で2セットを連取した瞬間、誰もが1981-82シーズンに始まったプレーオフ史上初めて、レギュラーシーズン8位のクラブがファイナルを戦う快挙とそのステージで羽ばたく石川の姿を想像したはずだ。しかし、昨シーズンに崖っぷちから3連勝の起死回生で決勝へ進んだ前年王者が覚醒した。
【動画】石川祐希が大奮闘も及ばず…プレーオフ第5戦 逆転で2勝2敗とされ敵地で迎えた最終5戦目は、劣勢から巻き返した第1、第2セットは逃げ切られて落とし、3セット目を奪い返すが、4セット目も終盤の猛攻実らず敗戦。週2試合の過酷な日程をこなし、準々決勝から続いたミラノの快進撃は決勝目前でブレーキがかかった。
試合を終えた石川はいつも通りにフロアでストレッチを始めた。額に乗せた両腕を動かした時、一瞬だけ目頭を押さえたように見えた。声をかける決心がつかずその姿を遠巻きに眺めている間、クラブ関係者が一人、二人と近づき肩を抱いて声をかけた。そして、立ち上がり振り返った石川に話を聞いた。
「非常に悔しい。1セット目の出だしはあまり良くなかったが、その後に2セットを取られても諦めず自分たちのすべきことをやり遂げ、3セット目を取ることができた。第4セットも中盤に離されたが、20点以降に追いつき良い試合ができたのかなと思う」と冷静に試合を振り返った。
「でもやはり勝ち切れなかったので、そこは今後の課題。僕自身もすごく良かったわけではなく、この状況で自分の持てるものを全て出し切れないとチヴィタノーヴァのようなチームには勝っていけないと感じた」
ブロック2本とエース1本を含む20得点は全体2位、アタック決定率53%、レセプション成功率(A+Bパス)でも67%を記録。攻守ともに際立ったパフォーマンスだったが、自分への厳しさを忘れない。それは、ここがバレーボール界ですでに名を馳せる猛者たちのすぐ後ろに俊傑がずらりと控え、異次元の才能を持つ若手がその彼らに追いつき追い越せとしのぎを削る場所であることを熟知しているからなのだろう。
石川は、3シーズン目を送る所属先のパワーバレー・ミラノを引き連れて、3年連続でプレーオフへ出場。レギュラーシーズン8位で最後の一枠を手にしての挑戦だった。準々決勝では、自らの活躍でリーグ戦無傷のペルージャから3勝を奪い取るジャイアントキリングを起こし、兼ねてから目標に掲げていた念願の4強入りを達成。クラブにも新たな歴史をもたらした。
その快進撃は止まらず、準決勝ではリーグ3連覇中のチヴィタノーヴァと1勝1敗のタイへ持ち込んだ後、ストレート勝ちで連勝を収め優勝争いの舞台へ王手をかけた。そして、続く本拠地での4戦目で2セットを連取した瞬間、誰もが1981-82シーズンに始まったプレーオフ史上初めて、レギュラーシーズン8位のクラブがファイナルを戦う快挙とそのステージで羽ばたく石川の姿を想像したはずだ。しかし、昨シーズンに崖っぷちから3連勝の起死回生で決勝へ進んだ前年王者が覚醒した。
【動画】石川祐希が大奮闘も及ばず…プレーオフ第5戦 逆転で2勝2敗とされ敵地で迎えた最終5戦目は、劣勢から巻き返した第1、第2セットは逃げ切られて落とし、3セット目を奪い返すが、4セット目も終盤の猛攻実らず敗戦。週2試合の過酷な日程をこなし、準々決勝から続いたミラノの快進撃は決勝目前でブレーキがかかった。
試合を終えた石川はいつも通りにフロアでストレッチを始めた。額に乗せた両腕を動かした時、一瞬だけ目頭を押さえたように見えた。声をかける決心がつかずその姿を遠巻きに眺めている間、クラブ関係者が一人、二人と近づき肩を抱いて声をかけた。そして、立ち上がり振り返った石川に話を聞いた。
「非常に悔しい。1セット目の出だしはあまり良くなかったが、その後に2セットを取られても諦めず自分たちのすべきことをやり遂げ、3セット目を取ることができた。第4セットも中盤に離されたが、20点以降に追いつき良い試合ができたのかなと思う」と冷静に試合を振り返った。
「でもやはり勝ち切れなかったので、そこは今後の課題。僕自身もすごく良かったわけではなく、この状況で自分の持てるものを全て出し切れないとチヴィタノーヴァのようなチームには勝っていけないと感じた」
ブロック2本とエース1本を含む20得点は全体2位、アタック決定率53%、レセプション成功率(A+Bパス)でも67%を記録。攻守ともに際立ったパフォーマンスだったが、自分への厳しさを忘れない。それは、ここがバレーボール界ですでに名を馳せる猛者たちのすぐ後ろに俊傑がずらりと控え、異次元の才能を持つ若手がその彼らに追いつき追い越せとしのぎを削る場所であることを熟知しているからなのだろう。