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ジャスティンパレスを”無駄のない”手綱さばきで載冠に導いた名手に拍手!一方、タイトルホルダー陣営には然るべきアナウンスを【天皇賞・春】

THE DIGEST編集部

2023.05.02

春の天皇賞を制したジャスティンパレス。6度目のGⅠ挑戦でルメール騎手が初載冠に導いた。写真:産経新聞社

春の天皇賞を制したジャスティンパレス。6度目のGⅠ挑戦でルメール騎手が初載冠に導いた。写真:産経新聞社

 4月30日、第167回 天皇賞(春)(GⅠ、京都・芝3200m)が行なわれ、先団でレースを進めた単勝2番人気のジャスティンパレス(牡4歳/栗東・杉山晴紀厩舎)が直線半ばで抜け出すと、追いすがる5番人気のディープボンド(牡6歳/栗東・大久保龍志厩舎)、追い込んだシルヴァーソニック(牡7歳/栗東・池江泰寿厩舎)を突き放して快勝。6度目の挑戦で掴んだGⅠ初勝利を3年ぶりに開催された京都を舞台にした伝統レースで飾った。

 一方、単勝オッズ1.7倍の1番人気に推され、2連覇を目指したタイトルホルダー(牡5歳/美浦・栗田徹厩舎)は、2周目の第3コーナー過ぎからスローダウンし、直線入口付近で横山和生騎手が下馬して競走を中止。残念ながら後味の悪い結果となった。

 降雨の予報が出ていたため、馬場状態が気になる週末を迎えたが、幸いにして雨量は少なく「稍重」で食い止められた。ただし、やや時計がかかるタフな馬場となっていたのもまた確かだ。

 ゲートが開くと”逃げ宣言”を出していたアフリカンゴールド(せん8歳/栗東・西園正都厩舎)が大外からハナを叩こうとしたが、内の3番枠から出たタイトルホルダーが鞍上に手綱をしごかれながら先頭を奪取する。

 すると、4番人気となった菊花賞馬のアスクビクターモア(牡4歳/美浦・田村康仁厩舎)が積極的に3番手に付け、ディープボンドもその直後をキープ。ジャスティンパレスは中団のインをぴったり追走し、3番人気のボルドグフーシュ(牡4歳/栗東・宮本博厩舎)、シルヴァーソニックらは馬群の後ろ目を進んだ。
 
 激しい先頭争いがあったためだろう。2ハロン目の10秒8というハイラップもあって、1000mの通過は59秒7と、稍重の馬場状態を考えるとかなりのハイペース。スタミナ面を含む地力が試される展開となった。

 異変は2周目の向正面で起こり始めた。アフリカンゴールドが競走を中止すると(心房細動)、最後方にいたトーセンカンビーナ(牡7歳/美浦・加藤征弘厩舎)がスピードを落として馬群から取り残されていく(左前浅屈腱不全断裂で大差の15着で入線)。そして続いては、逃げていたタイトルホルダーが第3コーナーから徐々にスローダウンして最後方まで下がり、結局、直線の入口で競走を中止してしまった(公式発表は「右前肢跛行」)。

 スタンドを埋め尽くしたファンがざわめくなか、直線へ向くとディープボンドがいち早く先頭に立って逃げ込みを図る。しかし、その後ろでマークするように追走していたジャスティンパレスが余裕綽々に並びかけると、抵抗する暇も与えず交わし去る。さらに、”馬なり”で脚を伸ばし、ディープボンドに2馬身半差を付けてGⅠウィナーの仲間入りを果たした。
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