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三浦龍司が得意の“ラストスパート”で3000m障害を制す! 今季初戦で好タイムも「まだ改善の余地はある」【セイコーGGP】

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2023.05.22

好位置で淡々とレースを進めた三浦は、ラストでライバルをかわした。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 陸上大会「セイコーゴールデングランプリ」が5月21日、神奈川・日産スタジアムで行われた。男子3000メートル障害では、三浦龍司(順天堂大)が8分19秒07で優勝を飾った。

 東京五輪7位入賞を果たすも、オレゴン世界選手権では予選落ちを喫した21歳。先週行われた関東インカレ5000メートルでは連覇を達成するなど、国内のトラックレースでは抜群の"安定感"を誇る。

 今大会は、フィレモン・キプラガット(愛三工業)が集団を引っ張る形で淡々とレースは進んだ。ラスト1周で三浦が先頭に出て、集団を揺さぶると、アモス・キルイ(ケニア)は負けじと反応し、バックストレートで三浦を抜き返した。だが水濠を越えたところで、三浦が再びギアチェンジ。キルイを交わし、そのままゴールに駆け込んだ。

 今季初の3000メートル障害の出場とした彼は、「本来であればラスト1000で(スパートを)かけたかった。だけど、まだその余力はないなと思い、ラスト駆け引きをして、勝負で勝ちきることを意識しました」と"真意"を明かしたうえで、スパートの課題を口にする。
 
「ラスト150で切り替えて勝つことは出来ました。出力を上げられた感覚はありますが、まだ瞬発力があるスパートではなかったですし、推進力はまだまだだった。まだ改善の余地はある」

 そして「世界陸上の予選敗退を経て、やっぱり決勝には進んで勝負していきたい。ダイヤモンドリーグで手応えとしていいものは掴んでいるので、その状態までなるべく早く持っていきたい」と今後の抱負を語った。

 昨季ダイヤモンドリーグファイナル入賞の実力者・三浦。次なる舞台は6月の日本選手権だ。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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