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渋野日向子、2戦連続で予選落ちは妥当!? それでも後半戦が楽しみな理由とは?【国内女子ツアー】

THE DIGEST編集部

2023.06.12

ホステスプロとして参戦した国内2戦目も予選落ちとなった渋野。(C)Getty Images

 3週前の『ブリヂストンレディスオープン』に続き、『宮里藍サントリーレディスオープン』でも予選落ちを喫した渋野日向子。国内女子ツアーでさえ結果を残せないことに、渋野ファンの多くは失望したかもしれない。しかし、心配はいらない。ようやく今後のゴルフに対して明るい兆しが見えてきたとも言えるからだ。

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 正直、渋野には申し訳ないが、今回の予選落ちは妥当と言わざるを得ない。なぜなら、大会5日前になって急きょグリップをインターロッキンググリップからテンフィンガーグリップに変えていたからだ。『ブリヂストンレディスオープン』で予選落ちした際、左手親指の付け根の治療やケアに集中すると語っていたが、そう簡単に治るとは思えなかった。実際、トッププロで同じところを故障した選手は少なくない。かつての丸山茂樹や伊澤利光、最近では松山英樹もその一人だ。特に丸山の場合は選手生命に及んだほどの重症だったが、今回の渋野と同様にテンフィンガーグリップに変えたことで、クラブを振れるようになった。
 
 ここでテンフィンガーグリップとはどのようなものか説明しておこう。その名の通り、クラブを10本の指で握るグリップであり、別名をベースボールグリップという。まさに野球選手がバットを握る時と同じ握り方だ。親指をクラブの上で伸ばすことなく握れるので、親指付け根に加わる力も弱い。

 渋野はソフトボールを経験しているだけに、テンフィンガーグリップでバットを何万回も振ってきた経験がある。通常はグリップを変えたら、スムーズにクラブを振ることはできない。渋野の場合も、最初に握ったときはノーチャンスに思われたが、実際にボールを打ってみたら、意外と上手く当たるので採用することにした。

 グリップ変更から5日目で2アンダーで回ってくること自体あり得ないことであり、改めて渋野の器用さに驚かされたが、それでも5日間は日にちが浅すぎた。フルショットはできても、中途半端な距離を打つ時の距離感や、アプローチでの繊細な感覚を出すフィーリングを正確に得るまでには至らなかったのだ。

 にもかかわらず、強行したのは左手親指付け根が相当痛んでいたからではないか。スポンサーであるサントリーの手前、クラブを振れないから欠場しますというわけにもいかず、試行錯誤の末にたどり着いたのがテンフィンガーグリップだと想像できる。ホステスプロとして、アマプロチャリティトーナメントを含め、本戦4日間を戦い抜けば、最低限の義務は果たせると考えたのなら、急きょのグリップ変更も納得できる。
 
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“新グリップ”に好感触を得た渋野