専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

昨季の賞金女王・山下美夢有はなぜ強い? 今季4勝&全スタッツ32部門中16部門でトップを快走する「リズムとセットアップ」

THE DIGEST編集部

2023.07.04

山下は今季早くも4勝をマーク。昨シーズン、史上最年少で賞金女王に輝いた21歳の次戦は海外メジャーだ。(C)Getty Images

山下は今季早くも4勝をマーク。昨シーズン、史上最年少で賞金女王に輝いた21歳の次戦は海外メジャーだ。(C)Getty Images

 今季、無類の強さを発揮している女子プロゴルファーがいる。昨年の賞金女王・山下美夢有だ。

 8月で22歳を迎える若き女王は、前半戦だけで4勝を挙げ、ポイントを争うメルセデスランキングではトップをひた走る。自身は春先に「今年は海外メジャーに参戦することが多くなるので1位になるのは難しい」と語っていたが、それを割り引いても山下の座を脅かす選手は、ほかに見当たらない。しいて言えば、2位にいる申ジエ(韓国)ぐらいだが、35歳のベテランだけに、4日間大会が続く後半戦でどこまで調子を上げていけるかがカギを握る。

 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のホームページでは、メルセデスランキングや年間獲得賞金、平均ストロークなどプレーの成績をまとめたスタッツを掲載しているが、全32部門中16部門で山下は1位をキープしている。ちなみに、2位は9部門あった。

 見劣りする記録といえば、71位(36%)のサンドセーブ率と51位(236・36ヤード)のドライビングディスタンスぐらいだ。身長150センチの山下にとって、ドライバーの飛距離を稼ぐことは課題でもあるが、2打目で長いクラブを持ってもコントロール能力が高いため、パーオン率は73・2547%で2位になっている。仮に、飛距離があと5ヤードでも伸びれば、パーオン率も1位になる確率は高い。
 
 全体的に穴のないところが山下の強さでもあるが、本人から現状に満足するコメントを聞いたことがない。「ショットの調子がいまひとつで、なんとか修正して本戦に備えたいと思います」というセリフを今季に入って何度聞いたことか。その度に修正点がどこなのか聞くと、いつも同じ答えが返ってくる。「リズムとセットアップです」。たまに「軌道が……」とスイング軌道について語ろうとするときもあるが、すぐに言い直して「やはり、リズムとセットアップです」と答える。

 山下が言うリズムとは、もちろんスイングリズムのことであり、調子が悪い時はトップからダウンスイングへ切り返すタイミングが速くなる。その結果、多少アウトサイドからクラブが下りてきて、カット気味のボールになるため、「左サイドの下半身から動かすのが理想です」と言う。

 また、セットアップとはアドレスのことであり、目標に対して体のラインをスクエアに構えているかどうかを常にチェックしている。ある意味、基本に対して忠実であることが、山下のゴルフを支えているのだろう。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号