高校No１の座を射止めた中距離界の新星、久保凛（東大阪大敬愛）。

　８月５日、陸上の全国高校総体（インターハイ）の女子800メートル決勝で優勝を飾ったのは、元サッカー少女の高校 １年生である。

【PHOTO】ルーキーの久保凛が“宣言通り”金メダルを獲得！インターハイ女子800ｍの激闘を制す

　予選、準決勝と１年生らしからぬ“攻めのレース”を見せてきたが、この日は３番手に控え、冷静に進めた。ラスト100メートルで仕掛けると、前の２人を一気に抜き去り、金メダルを獲得した。

　小学１年生のとき、地元、和歌山県の串本JFCでサッカーを習いはじめた久保は、右サイドハーフを担っていた。「澤穂希選手と男子ではネイマール選手、メッシ選手に憧れていました」と照れくさそうに話す彼女は、近畿大会に出場した実績もある。
  　そんな久保が陸上競技を本格的にはじめたのは、中学生のときだ。サッカーで培った足腰を活かすと、あっという間に才能は開花。昨年、全日本中学校陸上競技選手権でタイトルを手にした。そして今年４月に陸上の名門・東大阪大敬愛に入学すると、そのわずか４か月後に今度は“日本一の高校生”となったのだ。

　いったい彼女は何者なのか――。実は従兄がサッカー日本代表として活躍する久保建英であると明かす。「最近は全然会えてない」と話すが、「世界で活躍している部分が凄いと思う」と従兄に敬意を表し、「将来、陸上で世界で活躍する選手になれたら」と建英に続きたいと夢を語った。

　サッカー少女から陸上界のニューヒロインとなった久保。世界の大舞台で活躍する日が近いかもしれない。

取材・文●永野祐吏（THE DIGEST編集部）

【関連記事】「憧れの先輩」に競り勝ち高校生チャンピオンに！800ｍで金メダルの久保凛は「ラストで力を出すことが出来た」【インターハイ】

【関連記事】ルーキー久保凛が全体１位で800ｍ決勝へ！憧れの選手を模倣した“強気なレース”でドルーリー朱瑛里に「少し近づけた」【インターハイ】

【PHOTO】ハイレベルな争いが繰り広げられたインターハイ女子800ｍ準決勝！ドルーリー朱瑛里は決勝進出を逃す