専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

“現役最強”を証明したイクイノックス。古馬勢一蹴の完勝劇は父の種牡馬の価値をも高める結果に【有馬記念】

三好達彦

2022.12.27

史上最少キャリア6戦目で有馬記念を制したイクイノックス(左)。父仔制覇で来年の海外遠征も視野に入れる。写真:産経新聞社

史上最少キャリア6戦目で有馬記念を制したイクイノックス(左)。父仔制覇で来年の海外遠征も視野に入れる。写真:産経新聞社

 中央競馬の1年を締め括る大一番、有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)が25日に行なわれ、単勝1番人気に推されたイクイノックス(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)が圧勝。天皇賞・秋(GⅠ、東京・芝2000m)に続いてビッグタイトルを制覇した。

 菊花賞(GⅠ、阪神・芝3000m)で2着に健闘した6番人気のボルドグフーシュ(牡3歳/栗東・宮本博厩舎)がここでも2着に食い込み、エリザベス女王杯(GⅠ、阪神・芝2200m)を制して臨んだ3番人気のジェラルディーナ(牝4歳/栗東・斉藤崇史厩舎)が入った。

 一方、ファン投票1位の支持を受けて参戦した単勝2番人気のタイトルホルダー(牡4歳/美浦・栗田徹厩舎)は9着に沈み、昨年の覇者エフフォーリア(牡4歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)は5着、ジャパンカップ(GⅠ、東京・芝2400m)勝ち馬のヴェラアズール(牡5歳/栗東・渡辺薫彦厩舎)は10着に敗れた。
 
 イクイノックスが謳い上げる高らかな”現役最強宣言”が師走の中山に響き渡るような圧勝劇だった。

 レースは予想通りタイトルホルダーが逃げる展開になったが、外の13番枠から出たために先頭を奪い切るまでは鞍上に“促されながら”という形に。ディープボンド(牡5歳/栗東・大久保龍志厩舎)やジャスティンパレス(牡3歳/栗東・杉山晴紀厩舎)、エフフォーリアらがそれに続き、イクイノックスは中団の外目をキープ。ゲートを出遅れたジェラルディーナ、そして末脚勝負のボルドグフーシュは後方の14~15番手という後方を追走した。

 1周目の直線までは比較的速い流れでレースは進んだが、向正面に入るあたりからペースがガクンと落ちて、1000mの通過ラップは推定で1分01秒6というスローになっていた。イクイノックスはこの近辺でハミを噛んで掛かり気味になったものの、鞍上のセーブによって落ち着きを取り戻した。

 動きが出たのは3コーナー過ぎ。逃げるタイトルホルダーにディープボンド、エフフォーリアらが差を詰めると、外からじわじわと位置を押し上げていたイクイノックスもそれらに並びかける。

 そして迎えた直線。タイトルホルダーの脚色が鈍って後退するなか、一気に先頭へ躍り出たイクイノックスは、クリストフ・ルメール騎手から気合いを付けられると持ち前の鋭い末脚を繰り出してぐんぐんと後方との差を広げ、追い込むボルドグフーシュに2馬身半差を付けて、堂々とゴールを駆け抜けた。デビューから6戦目でのグランプリ制覇は史上最少キャリア記録となった。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号