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2歳馬ゆえ“幼いメンタル”が明暗分けた朝日杯フューチュリティS。無傷の3連勝ジャンタルマンタルの潜在能力を鞍上は絶賛!

三好達彦

2023.12.19

無傷の3連勝でGⅠを制したジャンタルマンタル。写真:産経新聞社

 12月17日、今年の2歳マイル王者を決める朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ、阪神・芝1600m)が行なわれ、早めに先頭へ躍り出た単勝1番人気のジャンタルマンタル(牡2歳/栗東・高野友和厩舎)が最後方から追い込んだ4番人気のエコロヴァルツ(牡2歳/栗東・牧浦充徳厩舎)を1馬身1/4差抑えて優勝。デビューから無敗の3連勝を飾った。

 3着には僅差で紅一点のタガノエルピーダ(牝2歳/栗東・斉藤崇史厩舎)が食い込んだ一方、2番人気のシュトラウス(牡2歳/美浦・武井亮厩舎)、3番人気のダノンマッキンリー(牡2歳/栗東・藤原英昭厩舎)は道中で折り合いを欠いて、それぞれ10着、8着に敗れた。
 
 まだ幼い2歳馬ゆえに、メンタルの問題が大きく影響する一戦となった。

 レースは出遅れたシュトラウスが向正面で激しく行きたがる素振りを見せ、懸命に抑えようとするトム・マーカンド騎手の意に反して暴走気味に馬群の外から一気に先頭までポジションを上げる。普通のスタートを切ったダノンマッキンリーも、行く気にはやる馬を抑えるのに長けたクリストフ・ルメール騎手でも手におえず、折り合いを欠いて5番手付近を進み、ジャンタルマンタルは先団の7番手付近を川田将雅騎手が我慢させながら追走した。

 朝から稍重だった馬場は、直前の第10レースから良馬場に回復はしたが、やや時計がかかるコンディション。そのなかで刻んだラップは1000mの通過が58秒4というミドルペース。流れとしては先行馬に有利なものとなった。

 そして迎えた直線。先頭を行くシュトラウスの脚色がいっぱいになり、道中3番手を進んだタガノエルピーダが粘るところへ、前に進路を見出したジャンタルマンタルが鞍上のゴーサインで一気に突き抜けて先頭に立ち、後続との差を広げる。

 そこへ最後方から大外へ進路をとったエコロヴァルツがひと際目立つ豪脚で追い込むが、粘るタガノエルピーダを交わしたものの、ジャンタルマンタルはそれを余裕で抑え切って堂々と先頭でゴール。見事なレースぶりでGⅠタイトルをモノにした。
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