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日本の熾烈なパリ五輪シングルス代表争い決着に中国メディアが異例の関心。伊藤美誠の“無念の涙”に反応も

THE DIGEST編集部

2024.01.27

東京五輪で3つのメダルを獲得した伊藤はパリ五輪のシングルス出場を逃した。(C)Getty Images

 日本のパリ五輪代表選考会は、卓球王国でも熱い視線が注がれていた。

 1月22日から東京体育館で熱戦が繰り広げられている卓球の全日本選手権。注目の女子シングルスは26日、選考ポイントで3番手だった伊藤美誠が6回戦で敗退し、僅差で争っていた平野美宇が準々決勝に進出。この結果、平野の2番手が確定。すでに代表内定していた早田ひなとともに、パリ五輪の女子シングルス代表権を確実なモノにした。

 敗れた伊藤はこれまで、リオ五輪の女子団体で福原愛、石川佳純とともに銅メダル獲得に貢献。東京五輪ではシングルスで銅メダルを掴むと、水谷隼とタッグを組んだ混合ダブルスで、日本卓球史上初の金メダルをもたらした。

 伊藤のまさかの代表落選は、世界屈指の卓球大国である中国でも大きな関心事となっている。中国唯一の英語スポーツテレビ番組『CGTN Sports Scene』は公式X(旧ツイッター)を更新。早田、平野、伊藤の3人の写真を添えて、「ヒナ・ハヤタ&ミウ・ヒラノがパリ五輪の女子シングルス日本代表に決定した」と第一報を打った。

 その一方で、「オリンピック混合ダブルス金メダリストのミマ・イトウはラウンド16で敗れ、パリ五輪のシングルス出場権を獲得できなかった」と伝え、前回のオリンピックで3つのメダルを獲得した女王が、シングルスでパリ切符を逃す結果に驚きを隠せなかった。
 
 2年以上かけて行なわれた日本の女子シングルスの代表枠争い。過酷な選考レースに終止符が打たれた直後、同メディアは再びXを更新。「全日本選手権の試合後、記者会見で涙するミマ・イトウだ」と綴り、無念の表情を浮かべる伊藤を激写。「彼女は東京五輪で混合ダブルスで金、女子団体で銀、女子シングルスで銅を獲得した」と付け加え、日本の熾烈な代表争いに興味津々だった。

 試合後、伊藤はコート裏で号泣。手で顔を押さえるなどショックを隠しきれず、会見では昨年からの故障の影響で身体は満身創痍だったことを吐露した。五輪で頂点に立った23歳の敗北は、ライバル国メディアにも小さくない動揺をもたらしている。

構成●THE DIGEST編集部

【画像】伊藤美誠のシングルス代表落選を伝える中国メディア
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【画像】伊藤美誠のシングルス代表落選を伝える中国メディア