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「今までで一番」友道調教師も脱帽! ジャスティンミラノの『成長力』は陣営の歴代ダービー馬以上! 紅一点レガレイラは“黄金コンビ”復活も、過剰人気に禁物

三好達彦

2024.05.25

皐月賞を制したジャスティンミラノ。日本ダービーで無敗の2冠を狙う。写真:産経新聞社

 5月26日、いよいよ競馬の祭典こと、日本ダービー(GⅠ、東京・芝2400m)が行なわれる。

 土曜日の天気予報は「晴のち曇」、レース当日が「曇のち晴」で、降水確率は2日間を通して0%。そして、24日の10時時点で計測した東京競馬場の芝のクッション値は「9.8」で、「標準」とされる数値。同日の8時30分に計測された含水率は、ゴール前が「13.4%」、第4コーナーが「14.8%」で、こちらも良馬場のなかでは中心値と言える状態。これらを考え合わせると、レース当日は「極端に時計が速くない良馬場」での施行が予想される。馬場状態の面で極端なトラックバイアスが生じないコンディションで開催できるのは朗報だろう。

 残念なことに、毎日杯(GⅢ、阪神・芝1800m)勝ち馬のメイショウタバル(牡3歳/栗東・石橋守厩舎)が左後挫跖のために出走取消。17頭での施行となる。そして本馬の取消によって、積極的にハナへ行きたい馬がいなくなり、平均ペースかややスローになる公算が高くなった。そのため、後方一気の追い込みタイプは、中団ぐらいまで位置を取りにいかないと、展開的に厳しいレースを強いられるかもしれない。
 
 3戦全勝で皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)を制したジャスティンミラノ(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)は、人気であっても優位は動かない。スムーズに流れに乗って前目でレースを進められる有利さはもちろん、長くしぶとくいい脚を使える脚質も東京向き。事実、デビュー戦と共同通信杯(GⅢ、芝1800m)と、東京コースで2戦2勝を挙げている得意舞台だけに、大崩れするシーンは考えづらい。もし苦杯を喫するとすれば、鋭い末脚を持つ馬との追い比べになって、切れ負けしたときぐらいだろう。

 さらに、過去マカヒキ(2016年)、ワグネリアン(18年)、ドウデュース(22年)と3度も頂点を極め、「ダービーの勝ち方を知る男」とも呼ばれる友道調教師のもとで育ったのも言わずもがなの強調材料だ。

 以前、友道調教師を取材した時、ダービー制覇のことについて聞いて強く印象に残った話がある。「ダービーを勝った馬は、みんなそこへ向けての成長が凄かった。なかでもワグネリアンは特に目立っていて、『あぁ、ダービーを勝つ馬はこんなに成長するものなんだ』と感心しながら見ていましたね」と、成長力がキーポイントになるとの実感を持ったというのである。そして目を見張ったのは、追い切り後にジャスティンミラノに対して発したコメント。「今までウチにいた馬の中で一番成長が著しい」と、決定的な評価を下しているのだ。

 先述したように、一瞬の切れ味を身上とする馬に切れ負けする可能性を残すために「1着固定」の本命馬とはしないが、馬連、馬単、3連系の馬券で外すことはできない主軸と見たい。
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