6月27日から30日まで、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで陸上の第108回日本選手権が開催された。『THE DIGEST』では4日間の熱戦で盛り上がった話題を選手の『言葉』とともに振り返る。今回は女子800m決勝で8年ぶりの高校生優勝を成し遂げた16歳の久保凛(大阪・東大阪大敬愛高)を取り上げる。
冷たい雨が降りしきる中で行なわれた大会最終日。前日に2分03秒60のタイムで予選全体トップ通過を果たした久保は、「いつも大事な時に巻く」という勝負のピンク色のハチマキを巻き、気合いが入っていた。決勝には1500mと5000mの2種目でパリ五輪代表に内定している田中希実、東京五輪や22年の世界選手権オレゴン大会の代表である卜部蘭、前回女王の池崎愛里ら実力者が揃うなか、運命の号砲が鳴った。
レースは高校記録保持者である塩見綾乃が先頭で引っ張る展開になり、久保は塩見を見ながら2番手集団につけた。そして、バックストレートに入ると16歳が一気に先頭へ躍り出る。
すると、外から田中がじりじりと上がってきて久保を抜きにかかる。しかし、スーパー女子高生はトップを譲らない。のちに本人は「絶対に抜かれたらいけない」という強い気持ちで田中の猛追を引き離すと、「ラスト250mぐらいから仕掛けようと考えていた」というプランでスパートをかけ、後続との差をぐんぐん広げて栄光のゴールに突き進んだ。2分03秒13は自己ベストを更新。初出場の日本選手権で、いきなり頂点に立つ快挙を達成した。
ゴール直後、久保に「おめでとう」と声をかけた田中(7位=2分05秒14)が先にミックスゾーンに現れた。「彼女は落ち着いたレース運びというか、他の選手に左右されず自分のレースをしている」と、久保の走りに舌を巻いた。「圧倒的な自信があるからこそできる部分で、私も800mにおいて自信をつけたら、いいレースが彼女とできると思う。800mという種目がより面白く、好きにさせてくれた」と言わしめるほど、ラストスパートの爆発力を含め、その実力を高く評価した。
冷たい雨が降りしきる中で行なわれた大会最終日。前日に2分03秒60のタイムで予選全体トップ通過を果たした久保は、「いつも大事な時に巻く」という勝負のピンク色のハチマキを巻き、気合いが入っていた。決勝には1500mと5000mの2種目でパリ五輪代表に内定している田中希実、東京五輪や22年の世界選手権オレゴン大会の代表である卜部蘭、前回女王の池崎愛里ら実力者が揃うなか、運命の号砲が鳴った。
レースは高校記録保持者である塩見綾乃が先頭で引っ張る展開になり、久保は塩見を見ながら2番手集団につけた。そして、バックストレートに入ると16歳が一気に先頭へ躍り出る。
すると、外から田中がじりじりと上がってきて久保を抜きにかかる。しかし、スーパー女子高生はトップを譲らない。のちに本人は「絶対に抜かれたらいけない」という強い気持ちで田中の猛追を引き離すと、「ラスト250mぐらいから仕掛けようと考えていた」というプランでスパートをかけ、後続との差をぐんぐん広げて栄光のゴールに突き進んだ。2分03秒13は自己ベストを更新。初出場の日本選手権で、いきなり頂点に立つ快挙を達成した。
ゴール直後、久保に「おめでとう」と声をかけた田中(7位=2分05秒14)が先にミックスゾーンに現れた。「彼女は落ち着いたレース運びというか、他の選手に左右されず自分のレースをしている」と、久保の走りに舌を巻いた。「圧倒的な自信があるからこそできる部分で、私も800mにおいて自信をつけたら、いいレースが彼女とできると思う。800mという種目がより面白く、好きにさせてくれた」と言わしめるほど、ラストスパートの爆発力を含め、その実力を高く評価した。
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